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2024.02.04

自己成長のための思考方法の種類【後編】

前回の記事では、思考力を高めるために役立つ10の思考法を、4つのグループに分けてご紹介しました。

今回は、その続編として、状況のリフレーミングや、真因やレバレッジポイントの導き出しなど、問題解決やシステム改善において重要なステップについて解説します。

状況のリフレーミングにより見える視点が変わる

状況のリフレーミングは、同じ状況や問題を異なる視点から見ることを指します。
これにより、新たな洞察や解決策が生まれ、より良い理解が得られることがあります。

リフレーミングは問題解決、意思決定、コミュニケーションなどの様々なコンテキストで有用です。

以下に、状況のリフレーミングがもたらす変化についていくつかのポイントを挙げてみましょう。

新たな視点の発見
リフレーミングにより、同じ状況でも異なる側面や視点が浮かび上がることがあります。
これによって、問題の本質や根本的な要因が見えやすくなります。

創造的な解決策の提案
状況を別の視点から見ることで、従来のアプローチでは気づかなかったアイディアや解決策が生まれることがあります。
異なる枠組みで物事を考えることで、創造性が刺激されます。

ポジティブな認識の醸成
リフレーミングは否定的な状況を肯定的なものに変えることがあります。
同じ状況でも、肯定的な側面や学びがあると考えることで、モチベーションやポジティブなエネルギーを引き出すことができます。

柔軟性と適応力の向上
状況のリフレーミングは柔軟な思考を促進し、変化に適応する力を高めます。
固定的な見方や思考パターンから抜け出り、柔軟で適応力のある考え方が可能になります。

コミュニケーションの向上
リフレーミングはコミュニケーションにおいても効果的です。
他者の視点を理解し、異なる意見に対して開かれた態度を持つことができます。

例えば、失敗と見なされる出来事を「学びの機会」としてリフレームすることで、その経験から得られる教訓に焦点を当て、次に向けて前向きなステップを踏むことができるかもしれません。

リフレーミングは、課題や状況に対する柔軟な思考を育むための重要なツールとなります。

真因やレバレッジポイントを導き出すことが肝要

真因(Root Cause)とは、問題を引き起こしている根本的な原因のことであり、レバレッジポイント(Leverage Point)とは、問題を解決するために最も影響力のあるポイントのことです。

これらを特定することで、問題の本質的な原因を理解し、有効な対策や改善策を講じることが可能となります。

以下に、真因とレバレッジポイントに焦点を当てるためのアプローチをいくつか挙げてみましょう。

5 Whys分析
問題の本質的な原因を明らかにするために「5 Whys」分析を行います。
問題のなぜを5回繰り返し質問し、根本の原因を特定します。
これにより、表面的な要因ではなく、根本的な原因にアクセスできます。

魚の骨図 (Ishikawa Diagram) – フィッシュボーン図
問題の原因を系統的に整理するために魚の骨図を使用します。
これにより、異なるカテゴリー(人、プロセス、機械、環境など)ごとに考え、問題の真因を見つける手助けとなります。

レバレッジポイントの特定
レバレッジポイントは、変化をもたらすために最も影響力を持つポイントです。
システムやプロセス内で変更を加えることで、大きな効果を生むポイントを見つけます。
このためには、システムシンキングを用いて相互依存関係や影響を理解し、戦略的にアクションを起こす必要があります。

因果関係の明確化
問題の要因と結果の因果関係を明確にし、どの因子が最も影響を与えているかを特定します。これにより、重要な要因にフォーカスしやすくなります。

データ分析
問題に関連するデータを収集し、統計的手法や分析ツールを使用して傾向やパターンを発見します。
データに基づいた分析は、客観的で正確な原因特定を支援します。

真因やレバレッジポイントを見つけることは、問題解決や改善プロセスにおいて非常に重要です。
これにより、有限なリソースを最適に活用し、持続可能な変化をもたらすことが可能となります。

2つ以上の問題点を同時に解決する両得の案も導き出すことも可能になる

上記のような思考方法を組み合わせ問題解決において、2つ以上の問題点を同時に解決する両得の案を導き出すことは、より効果的で持続可能な改善を実現する重要なスキルです。
以下は、複数の問題を同時に解決するためのアプローチです。

網羅的な問題定義
問題を網羅的に定義し、異なる視点から問題の本質を把握します。
特定の問題に焦点を当てるだけでなく、関連する他の問題も同時に考慮します。

システムシンキングの適用
システムシンキングを用いて、問題や課題がどのように相互に影響し合っているかを理解します。
これにより、一つの改善が他の領域にも良い影響を与える可能性を見出します。

マルチステークホルダーの参加
問題解決プロセスに関連する多くのステークホルダーを参加させます。
異なる視点や利害関係者の要望を考慮することで、複数の問題を同時に解決する案が浮かび上がることがあります。

創造的なブレーンストーミング
チームや関係者との協力による創造的なブレーンストーミングセッションを行います。
異なるアイディアや視点からの提案を組み合わせ、複数の問題点を同時に解決する新しいアプローチを見つけます。

優先順位付けとバランス
複数の問題を同時に解決するアプローチを見つけた場合、それらの問題の優先順位を付け、リソースや努力をバランスよく分配します。
優先順位がついていないと、ある問題の解決が別の問題を引き起こす可能性があります。

例えば、従業員のモチベーション向上と業務プロセスの効率改善を同時に達成するために、柔軟な労働環境や新しい技術導入など、複数の施策を組み合わせて検討することがあります。

このように思考方法や視点の変化を組み合わせることで様々なアイディアを導き出すことができます。

一つの事象でもたくさんの要因が隠されています。
それらを仮説思考で仮定し、ラテラル思考やロジカル思考で結論を推定し、システムシンキングで影響範囲などを特定していくことが肝要となります。