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2023.12.10

第十話:『試練の先の絆 – 互いの信頼 – 』

『夜明けを待ちながら – 星降る街の物語 – 』

 新店舗の立ち上げとブランディングの成功後、大地と美咲は更なる試練に直面することになった。新店舗は初期の成功を収めたものの、持続可能な成長を維持するためには、連続した努力と革新が求められた。

 オープン日から一週間ほど計画数値通りの成果を取ることができたが、キャストの出勤状況などを考えるとこの先の店舗運営は予断が許されなかった。

 ある日、大地と美咲は予想外の問題に直面した。新店舗の主要な供給業者からの突然の契約解除の通知だった。これは新店舗の運営にとって大きな打撃であり、二人は迅速な対応を余儀なくされた。

 この状況は、大地と美咲のチームワークと問題解決能力を試すものだった。彼らはまず、緊急会議を開き、状況の分析と代替案の検討に取り組んだ。

 美咲は冷静なブレインストーミングで、数々の代替案をチームに提案した。一方、大地は彼の組織力と実務知識で、具体的な行動計画の策定に貢献した。

 彼らは新しい供給業者の探索、採用状況の強化、予算の見直しをし、求人費用に多くのコストを振り分けた。さらにSNSでの発信及び社内のキャストであるインフルエンサーも活用した。

 それぞれの複数の面から問題にアプローチした。この過程で、徐々にではあるが、供給面は改善した。彼らはお互いの能力をさらに信頼し、協力し合う関係が深まっていく。

 問題は、キャストの供給面だけでなく、集客も同じように問題が続出した。予約の完売の女性キャストの当日欠勤による機会損失、新規客への訴求不足などなど、今までにないコンセプトで独自のポジションを狙ったが、それが顧客の理解を得ることが難しいとうデメリットも生じていた。

 グループ顧客が新規店舗へ流れてきたが、市場に受け入れられているとはいいがたい。そこで、大地は集客動線の複線化と集客ポイントへの出勤調整を行った。

 業界のNO.1ポータルサイトのヘブンネットだけでなく、SNSでの集客動線の強化及びグループ店顧客への訴求。サブサイトの契約などなど。そして、ユーチューバ―との企画、新規動線の複線化を図ることで、新規集客数の増加を図る。

 しかし、いつまでも広告の量に頼るだけでは、店舗運営は成り立たない。同時に再来店、リピート客を作り、お店を支えるファンを増やしていかなければならない。

 大地は、健太郎に協力を仰ぎ、緊急ミーティングを行った。

 「大地、美咲、そしてスタッフの皆さん、今の現状の数値を見てどう思う?」会議に参加した皆は口々に、予算数値との差異をみて悪い状況だと言った。

 「売上、粗利、変動費、集客数、在籍、実働、予約数、すべての数値で予算を下回っている」

 「では、なぜその状況になっているか、予測は立てられますか?悪い結果には必ず原因がある。改善ポイントが見つかれば、それを解決する行動を立てるだけさ。まずは悪い理由を全部出し切ろう。」

 「キャストを販売する画像のクオリティが悪いんじゃないか?」「コンセプトの世界観を伝えるスタジオを作成したにも関わらず、別の背景を使っていて統一感が見受けられない。」「ヘブンネットだけでは、集客動線が弱いのではないか?」「キャストの出勤変更が多すぎる、顧客に悪いイメージを与えている。」

 「それでは、出勤面 / 販売促進面 / サービス面での問題点にカテゴリー分けしてみよう。」

 数々の問題は、3つのカテゴリーに選別された。それぞれ10個ほどの問題点が見つかり整理された。

 「改善策と優先順位は後で振り番をつけるとして、次に今の現状でよい点を挙げていこう。」健太郎が、強化点を導き出すようにファシリテートすると、皆一様に黙りこくった。

 「これだけの予算数値との乖離がある中で、良い点はわかりません。」

 「おいおい、俺たちのグループは、常に前向きプラス発想、ポジティブな状態を保つはずだぜ。いい点がないことはないはずだ。」

 「そういえば、キャストの応募は多い気がします」「お客様のお声も評判がいいです。」「リピートも獲得している女性もいます。」健太郎が促すと、ぽつぽつと返事が返ってくる。

 「サービスの体験を促進させることにお客様を上手くティーアップできてるかな?電話口でのお客様へのサービス説明は、統一できているか、確認していこう。現状ではお客様も少なく、体験数が少ない。このような状態では、予算の売上を見るよりもお客様の体験価値を向上させたほうがいい。そこを強化していく、こだわっていくことで、リピート数が増えていくはずだ。新規店は顧客との信頼関係がまだ薄い。顧客の期待のハードルを上げ、超えることで満足度を実感していただく。」

 “数が少ないうちは、クオリティを上げ量の増加を図る。数が増えれば、質が薄まるので、底上げを図ること。”健太郎は新しいサービスの導入期でのセオリーを皆に伝えた。

 大地は問題点と強化点を整理することで、店舗運営の立て直しを図る。美咲はPDCAサイクルのフォームを作成し、大地をフォローした。

 「稼ぎが悪い女性たちへのフォローとモチベートも問題だ。出勤がそろえば、集客数も伸びるが、全てが改善されるわけではない。ストアビジョンを明確に示すことがリーダーとしての務めだぜ大地!」

 基本的なことを指摘されて大地ははっとした。予算数値をみているだけで肝心なことを忘れるところだった。試練を乗り越える中で、大地と美咲は健太郎に対する尊敬の念を強めた。

 特に、健太郎のファシリテート能力は、大地に実行力の取組に効果性を高め、美咲の業務遂行能力も加わり、2人の組み合わせは、多くの困難を乗り越える鍵となった。

 二人は健太郎に感謝しながら、新店舗の問題を一つずつ解決していった。この経験は、大地と美咲にとって、単なる職場での協力以上のものとなった。

 彼らは共に困難を乗り越える中で、深い信頼関係と絆を築き上げていった。彼らの関係は、仕事のパートナーとしてだけでなく、個人としても互いを高め合うものとなった。

 大地と美咲は新たな課題に直面しながらも、互いにとってなくてはならない存在になっていく。彼らは、これからも共に困難に立ち向かい、それぞれの夢に向かって歩んでいくことを心に決めた。

 彼らの絆は、試練を通じて更に強固なものとなり、彼らの人生に新たな価値をもたらしていた。

次回予告

やはり頼りになるライバルの存在。
次回、第十一話『失われた光 – 挫折の影 – 』
現実の厳しさを知る!!

ファシリテート能力

ファシリテート能力とは、グループディスカッションやワークショップ、会議などを円滑に進行させ、参加者全員が効果的に貢献できるよう支援する能力です。
この能力には、コミュニケーション、リスニング、問題解決、調整、中立的な立場を保つことなどが含まれます。

ファシリテーターの主な役割は以下の通りです。

❶:目的と方向性の明確化
ミーティングやセッションの目的と目標を明確にし、参加者に伝えます。
❷:参加と協力の促進
全ての参加者が意見を共有し、議論に参加できるよう促します。
❸:コミュニケーションの促進
効果的なコミュニケーションを支援し、意見の衝突や誤解を避けるために、適切なフィードバックと要約を行います。
❹:問題解決
グループが問題に対処し、解決策を見つける手助けをします。
❺:中立的な立場の維持
ファシリテーターは、中立的な立場を保ち、特定の意見やアジェンダに偏らないようにします。
❻:時間管理
議論を適切に時間内に収め、目標達成に向けて進行を管理します。

ファシリテート能力は、チームワークやコラボレーションを強化し、生産的な議論を促進する上で非常に重要です。
この能力を持つ人は、グループを効果的に導き、共有の理解を構築し、目標達成に向けた具体的なアクションを促すことができます。

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