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2023.12.06

第六話:『挑戦の光と影 – 知ってたんなら初めから教えてくれよ – 』

『夜明けを待ちながら – 星降る街の物語 – 』

第四章:日常の中の不安

 大地の新しい生活は順調に見えた。 彼は日々の仕事で成長を感じ、経済的な自由も手に入れつつあった。

 しかし、新しい環境での挑戦はまだまだ始まりにすぎない。 彼は自分の限界に直面するような新たな試練に耐えることになる。

 勤務して半年ほど経った後、フロントのリーダーへと昇格した。この頃、大地の職場では部門の大きなイベントが控えており、彼はその責任者として指名された。

 彼はこれを自分の能力を証明する場の機会と捉え、高い目標を設定した。その目標は非常に野心的なものであり、実現は簡単ではなかった。

 店長たちは、大地に非常に高いレベルの目標を期待しており、大地はこれまでにないプレッシャーを感じた。

 前回の失敗から、イベント内容を凝り、より顧客が楽しめる内容にした。そして、割引の額も前回よりも多めに予算建てしてもらった。広告枠も確保し準備は万全。少なくとも大地はそう感じていた。

 イベント当日、大地は全力を尽くしたが、結果は彼の期待を大きく下回った。目標としていた参加者数には遠く及ばず、収益も計画を下回ったものだった。そして現実を正確に見積もることの重要性を痛感した。

 この経験は彼にとって大きなショックであり、自信にも影響を与えた。割引により、集客目標は届いた。しかし、売上も届かず女子報酬も予算を大きく超え、その日の粗利は目標の80%という散々な結果をなった。

 実は、計画の段階で店長たちは、この計画では目標の利益を獲得することができないことを知っていた。大地が相談に来れば指摘、修正をするつもりだったが、何が何でも達成しようとするあまり彼は視野が狭くなり、上長に相談するといった基本的なことさえ忘れてしまう始末だったのだ。

 店長は大地にこう伝えた。

 「準備8割、すべての結果は、前日までに8割がた決まってるよ、PDCAでどの部分の修正が必要だったか、振り返って考えてみてごらん。」

 この出来事は大地に多くの反省材料を与えた。

 「だったらなぜ、教えてくれなかったんだ。」自分の失敗を認めず他責思考で、大地は店長たちへの不満を抱いた。

 翌日、大地は仕事に行くのが億劫になり、自分の将来について深く悩んだ。彼は部下や同僚の前で真剣に感じて、リーダーとして自分の立場に疑問を抱いた。心には失敗の影が重くのしかかり、以前のような楽観的な気持ちを取り戻すのが難しかった。

 ふと、大地は仕事のあと、同僚たちと飲みに行ったことになった。彼はこの機会を利用して、自分の不安や迷いを眺めた。

仕事帰りに飲んでる風景

 「合ってるかどうかわからなくなってきたんだ」と彼は言った。

 「大地、最初は誰でも不安だよ。大切なものは、自分の強みを見つけて、を活かすことだ」と一人が励みました。

 もう一人は、「挫折は成長の一部だよ。それを乗り越えた時、きっと強くなれる」と言葉をかけた。

 さらにもう一人は、大地の考えを否定した。

 「店長の言葉が全てだよね。なぜ目標に届かなかったか本当に理解しているのかい?あのサービス内容じゃイベント出勤状況は良くないことを店長たちは分かっていた。だからそれを修正するために、保証をいれてキャスト出勤人数を集めたんだ。それが変動費を圧迫した原因さ。この仕事が合う合わないと考える前に、失敗の原因と対峙することが先決だね。」

 続けて、自分に矢印を向けることや、店長たちは大地の計画の修正を必死に行っていたことを説明した。

 大地は恥じた。恥じるぐらいの素直さが彼は持ち合わせていた。表面上の励ましも大事だが、本当のことを伝えてくれた3番目の男に感謝した。

健太郎

 彼の名前は[健太郎]。彼は今後、大地の終生のライバルとなり、刺激を与え合う仲間となった。この夜、大地は同僚たちの言葉から多くの勇気をもらった。

 翌日、大地は新たな気持ちで仕事に臨んだ。 彼は自分の弱点を乗り越え、自分を変えるために努力を始めた。彼は失敗から学び、それを糧にして前進しよう。そう決意した。

 この拙い経験で、大地は自分自身の内面をより深く知ることができた。彼は自分の強みと弱みを認識し、それをバランス良く活用する方法を学んだ。

 彼はイベントに失敗したのではなく、イベントを準備するプロセスに失敗した。大切なのは、共通の目的、協働の自発性、コミュニケーションという3要素の内、コミュニケーションが欠落していたことを理解したのであった。

次回予告

挫折を味わった直後のライバルとの出会い。
この出会いが大地の成長を大きく加速させる!
次回、第七話『新しい絆 – 予期せぬ友情 – 』
次はどんな試練が待っているのか?!

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