エフェクチュエーション(effectuation)【第2回】クレイジーキルトの原則
目次
クレイジーキルトの原則とは!?
この原則は、事業展開において他者との協力やパートナーシップを重視することを促します。
ここでは、第2回として「クレイジーキルトの原則の活用のススメ」について具体的な内容を展開してみましょう。
クレイジーキルトとは、大きさや形、色、柄が異なる布をパズルのように縫い合わせて作られた1枚の布で、土台布の上に不規則に布を縫いつけ、刺繍(ししゅう)を施したキルトのことです。
中綿は入れず、観賞用として利用されることが多いです。
その様をビジネスに転用したものがクレイジーキルトの原則です。
クレイジーキルトの原則とは何か?
クレイジーキルトの原則は、ビジネスにおいて、競合他社、顧客、サプライヤー、さらには異業種の企業とも積極的に協力し、共に価値を創造することを推奨します。この原則は、一人で大きなリスクを負うよりも、多様なステークホルダーと共同でリスクを分担し、機会を最大限に活用することを奨励します。
メリット
リソースの最適化
複数の組織のリソースを組み合わせることで、各組織の強みを活かすことができます。
イノベーションの加速
異なるバックグラウンドを持つ参加者からのアイデアが交流することで、創造性が促進されます。
市場への迅速なアクセス
パートナーの既存の市場アクセスを利用することで、新しい製品やサービスを迅速に市場に投入することができます。
多様なステークホルダーと共同でリスクを分担し、機会を最大限に活用する
「一期一会」の精神をビジネスに応用することで、多様なステークホルダーとの関係をより深く、意義あるものにすることが可能です。
この日本の伝統的な考え方は、すべての出会いを大切にし、一回限りのチャンスとして捉えることを意味します。
ビジネスの文脈でこれを取り入れることにより、各種パートナーシップが持つ一回限りの機会を最大限に活用し、リスクを分担する効果的な方法を探求できます。
一期一会の精神を活かしたステークホルダーとの関係構築
完全なプレゼンスと準備
一期一会の精神で臨む場合、全てのミーティングや交渉において、準備と集中を徹底します。
これにより、相手に敬意を表し、その瞬間、その場に全力を尽くすことが重要です。
オープンマインドでの接触
新しいステークホルダーや異業種の企業と接する際は、既成概念に囚われず、新しいアイデアや提案に開かれた態度で臨みます。
これにより、予期せぬ価値ある提案や協力関係が生まれる可能性があります。
継続的な関係構築
一度の会議やプロジェクトを通じて築かれた関係は、長期的なパートナーシップへと発展させるチャンスです。
一期一会の出会いを大切にすることで、信頼と尊敬に基づく強固なネットワークを構築します。
文化や価値観の尊重
多様な文化やバックグラウンドを持つステークホルダーと協働する際は、相手の文化や価値観を理解し尊重することが重要です。
これにより、より円滑なコミュニケーションと相互理解が促されます。
共有されたビジョンの創出
共同で目標を設定し、それに向かって協力することで、関係者全員が同じ方向を向いて努力することが可能になります。
これは、共有されたビジョンに基づく行動が成功への鍵です。
大きな風呂敷(志)を広げて、共感を得た人とwin-winの関係性を築く
大きな風呂敷(志)を広げるというアプローチは、ビジネスリーダーが野心的な目標やビジョンを提示し、それに共感する人々を惹きつけ、相互に有益な関係を築くための非常に効果的な戦略です。
この方法は、組織内外のステークホルダーを動機づけ、エンゲージメントを高めることで、共有された目標に向かって力を合わせることを可能にします。
ステークホルダーと一緒になってビジネスを進めていった結果、初めにイメージしたビジネスモデルと全く別のものになる可能性もあります。
状況に流され続けてその結果になったのではなく、ステークホルダーの強みや役割を深耕していったその結果ならば全く問題はありません。
1.クリアで野心的なビジョンの設定
ビジョンは明確で、魅力的でなければなりません。これにより、人々はそのビジョンに感動し、関与したいと感じるようになります。
ビジョンは現状を超えた大胆な目標を提示し、可能性を広げるものでなければなりません。
2. コミュニケーション戦略の確立
あなたのビジョンを広めるためには、効果的なコミュニケーションが不可欠です。
プレゼンテーション、ミーティング、ソーシャルメディア、プレスリリースなど、さまざまなチャネルを通じて一貫したメッセージを発信します。
3. ステークホルダーとのエンゲージメント
ビジョンに共感した人々、特に影響力のあるリーダーや意思決定者と積極的に関わりを持ちます。
彼らがビジョンのサポーターとなることで、さらに広範な支持を集めることが可能になります。
4. 共感と信頼の構築
個人的な関係を築き、オープンで透明な対話を行うことで、信頼と共感を深めます。
これには、定期的なフィードバックの機会を設けることや、関係者の意見やアイデアを真剣に考慮することが含まれます。
5. 協力関係の育成
共通の目標に向かって協力するための具体的な計画を立てます。
これには、各ステークホルダーの貢献を明確にし、それぞれがビジョン達成にどのように関与できるかを定義します。
6. Win-Winの成果の追求
ビジョンが実現したときに、すべての関係者が利益を得られるようにします。
これは、物理的な報酬だけでなく、名声、個人的な成長、社会的影響など、多岐にわたることが可能です。
クレイジーキルトの原則はビジネスだけにはとどまらない
大きな風呂敷を広げる戦略は、ただ単にビジョンを共有するだけでなく、それを具体化し、それによって集まった人々と共に成長し、成功を共有するプロセスです。
このアプローチにより、ビジネスはただの利益追求から、社会に貢献する持続可能な活動へと変貌する可能性があります。
また個々のスタッフが人生の自己ビジョンを描くときもまた同様です。
チャンスは一瞬、出会いは一期一会の精神で常にいれば、人生の叶えたいビジョンがあったときに、事前にしっかりと準備をしているはずです。
そのように高い志をもっている人は、人知れず刀を研いでいるのです。
そして、利益を追求しないボランティア組織やNPO、はたまた趣味のサークルに至るまで、どのような団体、そして小さなチームまでこの考え方を取り入れると飛躍的な発展を遂げることができます。
よく地方創生では、ヨソモノ、ワカモノ、バカモノの人材を活用すべきと言われています。
新しいアイディアや外からの人々(ヨソモノ)、従来のやり方に疑問を投げかける行動(バカモノ)が、地方の活性化に新たな風を吹き込むことを表しています。
このアプローチは、従来の枠組みに捉われず、新しい視点や発想で地方の課題を解決しようとするものです。
このように、多様な考え方を取り入れることによって、大きく変化していくのです。
あなたも自分の想像以上に発展していく様を間近でみてみませんか?
THINK!このブログの読み応え!
このブログは、エフェクチュエーション理論の中でも特に「クレイジーキルトの原則」に焦点を当て、ビジネスだけでなく社会全体への適用可能性を探る内容で、非常に読み応えがあります。
以下のポイントが特に興味深く、役立つ情報源となっています。
クレイジーキルトの原則の深掘り
原則の基本的な理解から始まり、ビジネスにおける具体的な応用方法まで詳細に説明しています。
異業種間の協力やリソースの共有がイノベーションをどのように促進するかの事例が豊富に盛り込まれており、理論と実践の接点を明確に示しています。
多様なステークホルダーとの共同作業の重要性
一期一会の精神をビジネスに取り入れることで、パートナーシップがどのように深まり、新たなビジネスチャンスを生み出すかを探求しています。
これにより、読者は日々の業務においても人間関係の質を高め、より大きな成果を目指すヒントを得ることができます。
野心的なビジョンの展開とその影響
大きな風呂敷を広げることの重要性と、それによって如何に多くの人々を引きつけ、共感を得るかを説明しています。
このセクションは、リーダーシップとモチベーションに関心のある読者に特に響く内容です。
社会的な応用と地方創生への影響
ビジネスの枠を超えて、地方創生や社会貢献にクレイジーキルトの原則をどのように活用できるかを考察しています。
特に地方での新しい取り組みや、地域コミュニティの活性化におけるその価値を評価しています。
全体として、このブログはエフェクチュエーション理論を実際のビジネスシーンにどのように適用するか、またそれが個人や社会にどのような影響をもたらすかを広範にわたって探求しており、理論だけでなく実践的なアプローチも豊富に提供しています。
ビジネスリーダーや起業家、地方創生に関わるプランナーなど、さまざまな読者が新たな洞察を得ることができるでしょう。
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