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2024.05.10

近年大注目のマーケティング!エフェクチュエーションとは何か?【第1回】手中の鳥を活用せよ!

エフェクチュエ―ション(effectuation)とは何か?

エフェクチュエーションとは、優れた起業家に共通する思考プロセスや行動様式を指し、インド人の経営学者サラス・サラスバシー氏が提唱した理論です。

不確実性が高まる現代において、従来の目標設定型の逆算的アプローチ「コーゼーション」とは異なり、手持ちの手段からスタートし、それらを使って何ができるかを考えるアプローチです。

以下の5つの原則から構成されます。

手中の鳥の原則 – 既存の手段を用いて何かをつくること。

許容可能な損失の原則 – 損失が出ても致命的にはならない許容範囲のリスクをあらかじめ設定すること。

クレイジーキルトの原則 – 顧客や競合他社、従業員などをパートナーと捉え、一丸となってゴールを目指していくこと。

レモネードの原則 – 酸っぱいレモンから甘いレモネードを作るように、価値を持つ製品へと生まれ変わらせること。

飛行機の中のパイロット原則 – 不測の事態に備えて、状況に応じた臨機応変な行動をすること。

この理論は、未来が予測できるという前提のもとに成り立つコーゼーションとは対照的に、状況を臨機応変に判断しながら結果をデザインしていくことで、現代の経営戦略として注目を集めています。

興味深いですね!

手中の鳥の原則とは!?

「A bird in the hand is worth two in the bush.(手中の一羽は藪の中の二羽に値する)」

藪の中から聞こえる捕まえられるかどうかわからない2羽の鳥を気にするよりも、もう手中に収めている鳥を大切にしようということわざです。

大きいが不確実な将来の利益よりも、小さくても確実な現在の利益の方が有用であるという意味のことわざです。

また、多くのものを求めすぎて全てを失うよりも、自分が持っているもので満足するほうが良いという意味もあります。

日本の故事やことわざで言えば、あまりなじみはないですが、明日の百より今日の五十というあてにならないものに期待するより、たとえ少なくても確実なものの方がよいということや、明日はどうなるかわからないから、今を大事にするがよいという教訓があります。

ビジネスにおいて、手中の鳥とはなにを指す?

自分たちがすでに持っている「手持ちの手段(資源)」を活用して、何ができるかを発想することです。

強みを理解すること、現在位置を理解することももちろん重要ですが、ここでは、「余剰資源スラック」の使い道を考えることの重要性を説いています。

遊休施設、過剰人員、遊休スキル・能力、未活用技術などです。

これらは活用次第で新規事業や生産性の向上に寄与し、宝物に代わっていくのです。

身近な例で挙げれば、使っていない空き室を旅行者に貸してマネタイズするAirbnb(エアビーアンドビー)やライドシェアのUber(ウーバー)なども手持ちの資源を活用したものです。

つまり、シェアビジネスを行うことで、自らの遊休資本を活用したと言えるでしょう。

自社の遊休資産の探し方!社内に知識の旅してみよう、当たり前が大きな価値を生み出していることがあります。

物理的な資産と無形な資産を全て書き出し、それをVRIO分析価値、希少性、模倣不可能性、組織内整備)に基づいて評価するアプローチは、企業の戦略的資産管理において非常に有効です。

この方法を用いることで、企業が持つ資源や能力の中で、競争優位を生み出しているものと、そうでないものを明確に区別できます。

資産のリストアップ

物理的な資産(建物、機械、在庫・顧客リストなど)と無形の資産(ブランド価値、特許、スキルやノウハウ、組織文化・運営実績、ロイヤリティ、CS・ESなど)を全て書き出します。

VRIO分析の適用

各資産について以下の項目を評価します:

価値(Value):この資産は市場で価値があるか?

希少性(Rarity):競合他社にはない、希少な資産か?

模倣不可能性(Imitability):他社に模倣されにくいか?

組織内整備(Organization):この資産を支える、効果的な組織やプロセスが整っているか?

各資産をこれらの基準で評価し、競争優位に貢献している資産を特定します。

競争優位に寄与していない資産の特定

VRIO分析で価値、希少性、模倣不可能性、組織内整備のいずれかが低いと評価された資産は、競争優位には寄与していない可能性が高いです。これらは遊休資産や効率的に活用されていない資産である可能性があります。

活用計画の策定

競争優位に寄与していない資産について、どのように再活用、売却、または改善するかを検討します。

新たな市場の機会を探る、他の用途に転用する、または社内外の他のニーズに合わせて調整するなどの方法が考えられます。

オズボーンのチェックリストなどのフレームワークを活用して視点を変えてみましょう♩

このアプローチにより、企業は保有資産を最大限に活用し、未利用の潜在的な価値を引き出すことが可能になります。

また、資産の効率的な管理を通じて、全体の業務効率を向上させ、長期的な競争力を保持することができます。

THINK!このブログの読み応え!

このブログ記事は、エフェクチュエーションという起業家精神に関する重要な理論をわかりやすく説明し、それを自社の資産管理と結びつけることで、実践的なアプローチを提供しています。

このブログの読み応えのあるポイントは以下の通りです。

エフェクチュエーションの概要と原則の解説

エフェクチュエーションとは何か、その背景と基本原則(手中の鳥、許容可能な損失、クレイジーキルト、レモネード、飛行機の中のパイロット)が明確に説明されています。これにより、読者は現代の不確実性が高いビジネス環境でどのように行動すべきかの理解を深めることができます。

「手中の鳥」原則の具体的応用

「手中の鳥」原則をビジネスコンテキストにおける具体的な例とともに説明しています。これは、持っている資源を最大限に活用する方法として、非常に実践的で具体的なアドバイスを提供しています。

遊休資産の特定と活用方法

VRIO分析を用いた自社資産の評価方法を詳細に解説しており、企業が自らの資産をどのように整理し、未活用資産を効果的に活用するかについて具体的なステップが提供されています。これは、理論だけでなく実践的な運用にも役立ちます。

長期的な視点と戦略的アプローチ

記事は、単なる資産利用の技術的側面だけでなく、それを戦略的に組み込む方法も提案しており、企業が長期的な競争力を保持するための思考モデルを提供します。

これらのポイントにより、読者はエフェクチュエーションを理解し、実際のビジネスシーンでどのように利用できるかを学ぶことができるため、マネジメントの視点からも非常に価値があります。

また、新しい事業機会を見つけたり、既存の資産を最大限に活用したりする方法としても参考になるでしょう。


エフェクチュエーション(effectuation)【第2回】クレイジーキルトの原則

エフェクチュエーション(effectuation)【第3回】許容可能な損失の原則

エフェクチュエーション(effectuation)【第4回】レモネードの原則

エフェクチュエーション(effectuation)【第5回】飛行機の中のパイロットの原則