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物価高対策、今何が決まってる?|減税・補助金・制度見直しを生活目線で整理

最近、買い物をしていて「また上がってるな」
そう感じる場面が確実に増えました。
食品、ガソリン、電気代。
どれも生活に直結するものばかりです。
こうした物価高を受け、国会では減税や補助金など、さまざまな対策が打ち出されています。
ただし、ニュースを断片的に見ているだけでは、「結局、何がどう変わるのか分からない」という人も多いのではないでしょうか。
今回は、今国会で決まった・決まりつつある物価高対策を、生活目線で整理してみます。
目次
今国会で与党税調が合意した減税法案
今回の物価高対策の土台になっているのが、与党税制調査会で合意された一連の税制改正です。
特徴的なのは、「現金を配る」だけの対策ではなく、税金そのもののかかり方を調整する方向に舵を切っている点です。
一時的な給付は即効性がありますが、
・また物価が上がれば不十分
・財源問題が必ず蒸し返される
今回は、日常的な負担を少しずつ軽くする設計が中心になっています。
所得税の壁が160万円から178万円へ
いわゆる「年収の壁」の一つである所得税の課税ラインが、160万円 → 178万円に引き上げられました。
この見直しの背景には、
物価上昇で「実質賃金が下がっている」
働いても手取りが増えにくい
という現実があります。
特にパート・アルバイト層では、「これ以上働くと損をする」という意識が強く、就業調整が常態化していました。
今回の引き上げは、働いた分だけ、素直に手取りが増えやすくするというメッセージでもあります。
ガソリンの暫定税率廃止でリッター約30円ダウン
ガソリン価格に長年上乗せされてきた「暫定税率」。名前とは裏腹に、事実上の恒久税になっていました。
これが見直されることで、1リットルあたり約30円の負担減が見込まれています。
ガソリン代は、
通勤 / 送迎 / 配送・物流
など、あらゆる経済活動に影響します。特に車移動が前提の地域では、家計にも事業にも効く対策と言えるでしょう。
電気・ガス代補助は「値下げ」ではなく「暴騰防止」
電気代・ガス代への補助も継続されます。
ここで重要なのは、「安くなる」というより上がり過ぎるのを抑えているという点です。
エネルギー価格は国際情勢の影響を強く受けるため、完全にコントロールすることはできません。
それでも、「何も対策がなければ、もっと高かった」という状態を防ぐ役割を果たしています。
地方自治体へ「物価高対策重点補助金」
国から地方自治体へ、使い道を限定した物価高対策の補助金も配分されます。
この制度のポイントは、全国一律ではなく、地域ごとの実情に委ねられる点です。
自治体によっては、
水道料金の一部減免
子育て世帯への支援
地元限定の商品券
など、身近な形で実感できる施策が行われます。
防衛費増額に伴う所得税増税は2027年以降へ
防衛費の増額に伴う所得税の引き上げについては、2027年以降に先送りされました。
物価高の最中に新たな負担を増やすことへの反発が強く、当面は「生活防衛を優先する」という判断が示された形です。
将来的な課題は残りますが、少なくとも今すぐ家計を直撃することはありません。
インボイス制度、猶予期間を2年間延長
小規模事業者への影響が大きいインボイス制度については、激変緩和措置の猶予期間が2年間延長されました。
制度そのものがなくなるわけではありませんが、
急な事務負担
実質的な増税
を一気に押し付けない、という配慮です。
「制度について考える余地」が残された、という点は大きいでしょう。
社会保障費削減と医療費見直し
今回議論されているのは、医療を削ることではなく、「保険で負担する範囲」を見直す動きです。
特に対象になっているのが、
湿布薬 / 風邪薬 / 解熱鎮痛剤 / 胃腸薬 など
病院で処方されるが、市販でも購入できる薬です。
これらは一般にOTC医薬品またはOTC類似薬(医療用OTC類似薬)と呼ばれます。
なぜ見直されるのか?
理由はシンプルです。
市販で買える・慢性的・大量処方されやすい・医療保険財政への影響が大きい
つまり、「医療でなければ対応できない薬ではない」という位置づけだからです。
湿布薬や風邪薬などのOTC類似薬の保険適用見直しによって削減できる社会保障費は、年間でおおむね「数千億円規模」と見込まれています。
まとめ:給付より「構造調整」の時代へ
今回の物価高対策は「与野党ミックス型」
今回進んでいる政策は、一つの政党の思想で統一されたものではありません。
与党(現実運営側)が主導しているもの
所得税の壁引き上げ / ガソリン暫定税率の見直し / 電気・ガス代補助 / 地方自治体への重点補助金 / 防衛費増税の先送り
→ 即効性・実務性・財源管理重視
野党が長年主張してきた要素が反映されたもの
減税による家計支援 / インボイス制度の猶予延長 / 物価高下での新規増税回避
→ 生活者・中小事業者配慮
これらは、もともと野党が強く訴えていた論点です。
理由は明確で、物価高という”共通の危機”の前では、イデオロギー対立をしている余裕がないからです。
国民生活への影響が即座に出る
選挙をまたぐ長期対立が許されない
何もしないリスクが大きすぎる
その結果、「どの党の政策か」より「今、効くかどうか」が優先されている状態になっています。
今回の物価高対策は、与党・野党それぞれが主張してきた政策が、「生活防衛」という一点で重なり、同時に実行されている異例の局面と言える。
対策を通して見えてくるのは、一時しのぎから、構造調整への移行です。
・取ってから返す
・配って終わり
ではなく、そもそも負担を重くしない設計へ。
物価高は短期で終わる問題ではありません。だからこそ、制度の変化を「点」ではなく「流れ」で捉えることが大切です。
あなたの生活に、どの対策が効いてくるのか。
一度、立ち止まって整理してみてはいかがでしょうか。



