若年層の消費行動の特徴と背景を読み解く
若者の消費行動は、いまや「節約するところは徹底し、好きなことには惜しまず投資する」という二極化のスタイルが際立っています。
このスタイルは以下のような行動パターンに現れています。
・激安スーパーやドラッグストアで日常生活費を抑える
・ファストファッションや越境ECを活用し、低コストでトレンドを取り入れる
・浮いたお金を趣味や推し活に全力投下する
今回は、若年層が見せるこの特徴的な消費行動について、その背景や影響を掘り下げていきます。
目次
激安スーパーやドラッグストアでの節約術
ベースコストを徹底的に抑える
若年層の多くは、限られた可処分所得の中で日常生活費を最大限切り詰めています。
・業務スーパーやディスカウントストアで食料品をまとめ買い
・ドラッグストアのクーポンやポイント還元を活用して消耗品や一部コスメを購入
SNSや口コミを駆使して賢く買う
若者は、XやInstagram、TikTokを利用して、リアルタイムの特売情報やクチコミを収集しています。
・「どこが安いか」を複数店舗で比較
・値引きの時間帯や特売セールを見逃さない
ファストファッションと越境ECでのコスパ重視
トレンドを低コストで楽しむ
ファストファッションは、若者にとって手軽にトレンドを楽しむ手段です。
ユニクロ・GU:シンプルで機能的なアイテムが人気
ZARA・H&M:トレンド感の強いアイテムを短いサイクルで投入
越境ECの活用
Amazonや楽天といった国内ECに加え、SHEINやAliExpressなど海外通販サイトを利用する若者が増えています。
・日本にはないユニークなデザインの商品
・海外コスメやガジェットを手軽に購入
ただし、返品や品質に問題が生じる場合もあるため、口コミを重視したり友人と情報共有をする姿勢が見られます。
浮いたお金を趣味や推し活に全力投下
自己投資と満足度の重視
節約で生まれた余剰資金を、以下のような「好きなこと」に惜しみなく投入します。
ライブやイベント、グッズ購入
ゲーム課金や旅行、カフェ巡り
SNSでの共有と共感の拡大
SNSを通じて体験を発信し、共感を得ることで、趣味や推し活がさらに盛り上がるサイクルを生んでいます。
・イベント参加の写真や動画を投稿し、「いいね」やコメントを獲得
・同じ趣味の仲間とオフ会や情報交換を実施
背景にある価値観の変化
メリハリ消費の浸透
・若者の消費行動には「バーベル消費」とも呼ばれる二極化が見られます。
・必需品は徹底して安く抑える
・自分が価値を感じるものには積極的に投資する
SNS時代の情報収集と他者比較
・SNSでの情報収集が容易になり、「もっと安いものを探す」という欲求が高まりやすい
・話題の商品やサービスを試すこと自体が、SNS投稿のネタになる
自己実現や共感の重要性
・お金を使うことで「自分らしさ」を表現
・ゲームやアニメ、アーティストといった推しとの一体感を楽しむ
まとめ|若者の消費行動に見る合理性と情緒
激安スーパーやファストファッション、越境ECを活用し、日常生活費を抑えつつ、浮いたお金を趣味や推し活に投資する若年層の消費行動。
その背景には、合理性と情緒的価値を両立させる姿勢が見られます。
今後もオンラインサービスやサブスクの進化とともに、こうした行動はさらに多様化・複雑化するでしょう。
「価格やコスパを最優先しつつ、自分に合った体験やストーリーを重視する」というバランス感覚が、今の若者消費の特徴と言えます。
合理性を突き詰めながらも、自分の心を満たす行動を続ける彼らの選択は、経済やマーケティングの分野でも注目を集めるテーマとなり続けるでしょう。