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そもそもジャーナリズムとは何か
本来のジャーナリズムは、たった3つの役割しかありません。
です。ところが今、この3つがほぼ全滅している。
オールドメディア(新聞・テレビ)が壊れた理由
- 広告モデルが崩壊し、記事が”広告寄り”になった
企業や政府予算(広報)の影響力が大きいため、構造批判・制度批判ができなくなった。 - 省庁発の”公式情報”をそのまま流すだけ
なぜなら一次取材をする余力がない。(人手もコストも足りない)
日経の記事も「制度の紹介」止まりで、その構造的リスクは語られない。
つまり記者が”事実を運ぶ郵便局”になっている。 - 批判を避ける文化
SNS炎上を恐れ、「無難な記事」「俯瞰風の言い回し」に終始する。
結果、オールドメディアは社会構造を解く力を失った。
SNSジャーナリズムが壊れている理由
- アルゴリズムが「過激・分断」を最も拡散する
合理性より、怒りや同調圧力が優先される。 - 「速さ」>「正確さ」になった
検証よりも”話題性とスピード”が勝つ。 - 発信者はジャーナリストではなく”自己承認欲求者”
専門性なき個人でも、拡散力さえあれば「真実っぽさ」を発信できてしまう。 - 情報が細切れで、構造的理解が生まれない
1ツイート、1動画で世界を説明することは不可能。
結果としてSNSは「本人の怒り・偏見の拡声器」になってしまった。
では、ジャーナリズムはどこに消えたのか?
実は答えはシンプル。
社会構造を説明する”新しい知的階層(システム思考型の個人)”に移った。
は、今のジャーナリズムにはいません。
なぜなら
- 新聞記者は専門外を扱う
- SNSは短文構造
- テレビは分かりやすさ優先
- オールドメディアは縦割り
- SNSは分断装置
だから、構造的視点を扱える媒体が消えたのです。
制度を”単体”でなく”社会の生態系”として捉える力がある。
これがジャーナリズムの本質で、今はほぼ絶滅しています。
では、ジャーナリズムは今後どう進化するべきか
- 構造理解
- 中立性
- 因果の可視化
- 行動の指針
具体的には:
SNSの議論は「属性」で決まるが、それを消す。
「属性を捨てて構造で語る」という視点は、現代のSNS社会が完全に失っている観点
世の中の出来事はそんなに単純ではない、視点・視野・視座の変化が必要
オールドメディアは利害(広告・政治)の制約を受けるため、報じられるのは”安全な結論”に限られる。
一方、個人発の分析は多面的に議論し、一つの正解に縛られない柔軟性を持てる。
深い洞察は、むしろ個人から生まれる時代になった。
AIは
・仮説構築・反論生成・因果の網羅・感情の排除
を瞬時に行える。
人間が思考の偏りに気づきにくい部分を補完し、個人の分析力を”社会構造のレベル”にまで引き上げる。
重要なのは立てた仮説を自分で反論し、AIを使って多角検証する習慣を持つこと。
まとめ|”情報があふれているのに、真実が見えない時代”をどう生きるか
私たちは今、かつてないほど情報にアクセスできる時代に生きています。
にもかかわらず、多くの人が感じているのは「世界の本当の姿が見えない」という矛盾です。
なぜか?
オールドメディアは安全性と利害調整に縛られ、SNSは感情と分断のアルゴリズムに飲み込まれ、どちらも”構造”を語らなくなったからです。
しかし、社会は単純ではありません。
住宅、福祉、治安、財政、労働、都市計画──
すべては複雑につながり合いながら動いています。
この複雑さに向き合い、因果をほどき、多面的に問いを立て、中立的に分析し、未来への意思決定材料を提示する。
それこそが、本来のジャーナリズムの役割でした。
そして今、その役割は新聞社でもテレビ局でもなく、構造を読み解こうとする個人の手に戻り始めています。
AIはその思考を補助し、仮説検証・反論生成・構造分析を瞬時に支援してくれる。
だからこそ誰もが、”構造ジャーナリスト”として社会を読み解く時代が始まっています。
これから必要なのは、一つの正解を信じ込むことではなく、複数の視点を持ち、仮説と反論を往復し、自分で考え続ける姿勢です。
情報が溢れる世界で、真実をつかむ力を取り戻すために。
ジャーナリズムは消えたのではありません。私たち一人ひとりの中に戻ってきただけです。
「構造ジャーナリスト」のためのAIプロンプト・キット
以下のプロンプトを、気になるニュース記事やテーマと一緒にAIに入力してください。
多くのニュースは「点」でしか語られません。まずは背景にあるシステム(線と面)を浮き彫りにするためのプロンプトです。
「正義 vs 悪」という単純な対立軸から脱却し、各プレイヤーのインセンティブ(動機)を理解するためのプロンプトです。
自分のバイアスや、世論の空気(アルゴリズムによる増幅)を中和し、思考の強度を上げるための「壁打ち」プロンプトです。
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