「今年のおせち、どうする?」
この一言から、年末の家庭内会議が始まります。理由はひとつ。物価高です。
以前なら「正月くらいは」と目をつぶれていた食材の値上がりも、ここまで来ると、さすがに無視できません。
結果として起きているのが、“おせちの具材リストラ”という、なかなかシビアな現実です。
目次
物価高騰のあおりで始まる「正月料理の仕分け会議」
かつてのおせちは、「縁起物フルセット」が当たり前でした。
しかし今年は違います。
- これは本当に食べているのか?
- 子どもは手をつけているか?
- 残って冷蔵庫に眠っていないか?
こうした問いが、テーブルの上で次々に投げかけられます。正月料理でありながら、議論は極めて合理的です。
高価格具材ランキングと、正月料理の本来の由来
おせち料理は、もともと保存性と縁起を重視した料理です。
| 具材 | 由来・意味 | 現実 |
|---|---|---|
| 数の子 | 子孫繁栄 | 高騰・量が減りがち |
| えび | 長寿 | 高価格帯常連 |
| 黒豆 | 勤勉・健康 | 食べる人が限定的 |
| 栗きんとん | 金運 | 甘さが敬遠されがち |
本来は「願いを込める料理」ですが、今は「価格と消費量」が選考基準に加わっています。
コスト高でも「これだけは外せない」具材たち
そんな中でも、生き残る具材があります。
生き残る具材の共通点
- 数の子(量は減っても存在感が必要)
- えび(正月感の象徴)
- 伊達巻(子ども人気が高い)
- 煮しめ(実用性が高い)
共通点は明確です。「食べられる」「減らない」「正月感がある」
縁起よりも、実利と満足度が優先される時代です。
リストラ候補筆頭? 黒豆・栗きんとん・田作り
一方で、静かに名前が挙がるのがこのあたり。
リストラ候補
- 黒豆
- 栗きんとん
- 田作り
理由は単純です。
・甘い
・好き嫌いが分かれる
・残りやすい
縁起は良い。でも、食べられなければ意味がない。
今年は「全部そろえる正月」から、「食べるものだけを残す正月」へ。
まとめ:おせちは「選ばれる料理」になった
おせちは、もはや「入っていて当たり前」の料理ではありません。選ばれなければ生き残れない料理になりました。
これは、正月料理に限った話ではありません。
- 高いから売れない
- 縁起が良いだけでは選ばれない
- 実際に食べられるかが最優先
そんな時代の空気が、今年のおせちの中身にも、はっきりと表れています。
首になった料理も、いつか復活する日が来る。
それを信じてしまうのが、日本の伝統料理の底力なのかもしれません。
それを信じてしまうのが、日本の伝統料理の底力なのかもしれません。




