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道頓堀をプールに?大阪市長が前向きな「水の都」再生構想と実現の課題

「大阪のど真ん中を泳ぐ日が来るかもしれない」
そんなニュースが、最近話題になっています。
今年、大阪市長が“道頓堀をプールにする構想”について、前向きに検討する姿勢を示しました。
観光の街・大阪に、まさかの水泳アクティビティが生まれるかもしれない――
多くの人が「えっ!?」「ほんまに?」と驚く一方で、ワクワクする声も上がっています。
道頓堀といえば、グリコの看板、食い倒れ文化、観光客の熱気が渦巻く大阪の象徴。
過去には飛び込み問題で世間を賑わせたこともありますが、今回はその逆で、公式に泳げる場所にするという大胆な発想です。
ただの思いつきではなく、観光・都市活性・地域ブランド向上など、行政としての狙いも見え隠れします。
実は、川や運河を泳げる場所に変える事例は海外では珍しくありません。
【最も象徴的な例:パリ五輪のセーヌ川】
- — 長年汚染に悩まされてきたセーヌ川を浄化するため
- — 約1800億円以上といわれる大規模投資を実施
- — 100年以上禁止されていたセーヌ川での遊泳を五輪を機に解禁予定
「街の中心部で泳ぐ」という都市の価値を再定義する挑戦として、世界中が注目しています。
さらに以下のような例もあります:
- ドナウ川(ウィーン):都市型リバー・プール
- ハドソン川(NY):浄化してそのまま泳ぐ計画
- シドニー:海・川の自然プールを観光資源化
大阪も実現できれば、世界の都市開発と肩を並べることに。
現在の道頓堀は、観光船「とんぼりリバークルーズ」が大人気。
船の運航ルートとしての役割が確立しているため、ただプールにするだけでは成立しません。
【解決すべきポイント】
- 舟運との時間帯調整
- エリア分割や水上デッキの設置検討
- 安全管理・監視体制整備
交通と遊泳をどう両立させるかが最大のポイントです。
最も議論されているのはこの点。
泳ぐためにはレジャープール並の衛生基準が必要で、現状の道頓堀はまだその基準に到達していません。
しかし、近年の下水整備で改善が進んでおり、技術的には数年スパンで実現可能という見方もあります。
水質改善が進んだ主な要因
- 下水道・処理施設の整備・高度化(雨水貯留管の供用開始など)
- 河川・運河の浄化・水質維持施策(水門操作、浚渫など)
- NPO法人による貝の養殖を利用した生物浄化の取り組み
【大阪で進んでいる「流れを作る」今後の浄化作戦】
- 水門操作で潮の満ち引きを利用して流れを強化
- 導水設備で浄化された処理水を送り込み、水量そのものを増やす
- 雨水貯留管で雨天時の濁水の突入を抑える
これらはすべて 道頓堀川を「動かす」→「浄化する」→「使う」 という流れの大戦略。
💡 技術革新による可能性
「実は大阪発のベンチャーとして、日本ポリグルという会社が“納豆由来ポリグルタミン酸+無機化合物”を用いた凝集剤 PGα21Ca を開発。
発展途上国で数々の実績を挙げており、もしこの技術が都市河川に応用されれば“水質改善の一手”になるやもしれません。
道頓堀“水質改善クラウドファンディング”構想
『1コイン投入=○リットル浄化』という構造も試算可能になり、参加者はただの観光客ではなく“この川の共創者”になることができます。
(例:ポリグルのPGα21Caは1 kgあたり約10,000 Lの高い処理効率)
経済効果と“水の都・大阪”復活の可能性
それは、かつて大阪が誇った “水の都”としてのアイデンティティを取り戻す挑戦でもあります。
江戸から昭和初期にかけて、水は大阪の物流・商業の中心であり、“天下の台所”は水がつくった経済だったと言っても過言ではありません。
【もし道頓堀が“泳げる川”になれば?】
- 観光客増加による 年間50〜100億円規模の経済波及
- 水辺を活かした 新しい産業・アクティビティ市場 の誕生
- 都心型ビーチエリア、市街地トライアスロン、SUP、カヌーなど非日常体験
- 観光都市・大阪の象徴となり、経済効果は計り知れない
河川再生に成功したソウル清渓川(チョンゲチョン)でも、周辺の経済効果は年間約20億円規模に増加したという分析があります。
大阪は再び “水を楽しみ、水で栄える都市” へと進化できる可能性が十分あります。
まとめ:夢物語から、現実に近づきつつある
「水辺を取り戻すことは、街の未来を取り戻すこと。」
道頓堀プール構想は、水の都・大阪の再生、そして世界へ向けた新しい都市像の宣言になるかもしれません。
水質改善 × 観光 × 市民参加 × 技術革新
大阪は “世界で一番水との距離が近い街” になるポテンシャルを秘めています。
「道頓堀で泳ごうや!」
そんな冗談みたいな会話が、本当に実現する日が来るかもしれません。🌊✨



