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消費税減税を阻む真犯人は「医療費の無駄」である|日経記事が語らなかった不都合な真実

消費税減税を阻むのは「財政」ではなく
「医療費の無駄」である

先日、日経新聞に「食料品の消費税ゼロは経済にマイナス」という経済学者アンケートの結果が掲載されました。

学者の88%が反対しているというショッキングな数字ですが、このニュースを「そうなんだ」と受け取って終わらせてはいけません。

ビジネスやシステム設計の現場にいる人間から見れば、この調査結果は「意図的に隠された前提条件」の上に成り立つ、極めて偏った編集と言わざるを得ないからです。

今回は、この議論で「あえて触れられていない本質」を解剖します。

01. 議論のすり替え:なぜ「社会保障の抑制」は消されたのか?

この記事の最大の問題点は、「社会保障費は絶対に削れない固定費である」という思考停止の前提を置いていることです。

経済学者が「減税すれば財政が悪化し、国債の信認が落ちる」と警告するのは、例えるなら「底に大穴が空いたバケツに、水を注ぐのをやめたら中身がなくなる」と言っているようなものです。

本当の議論は「なぜバケツに大穴が空いているのか(支出の構造)」に向けられるべきです。

年金はすでに「マクロ経済スライド」によって調整の出口が見えています。

今、この国の財政を食い潰している真の正体は、「青天井で膨らみ続ける医療費」です。

医療費を聖域化したまま突き進むと、以下のような末路が待っています:

1. 現役世代の流出

働いても報われない国から、若者や高所得者が海外へ脱出する。

2. インフレによる実質カット

予算を削れないため、政府は「インフレ」を容認し、貨幣価値を下げることで実質的な医療サービスの質を落とす(現在進行中)。

3. システムの強制停止

保険料が限界に達し、ある日突然「窓口負担3割・5割」が全世代に強制される。

02. 「負担」ではなく「無駄」を問え

私たちは「医療費の負担増」を議論しがちですが、本質はそこではありません。

問題は「無駄な医療」がシステムとして組み込まれていることにあります。

🏥 コンビニ受診と社会的入院

本来必要のない受診や、家族の都合による長期入院が公費を浪費している。

💊 薬剤の過剰処方

年間1,000億円規模の残薬が発生しているという現実。

⏱️ 終末期の自動延命

本人の意思を置き去りにした「延命のみを目的とした高度医療」への公費投入。

これらは、医療を「善」とする道徳観に隠されていますが、経済システムとしては「生産性のない資源の浪費」です。

💡 トリアージの導入

例えば、10代・20代の将来ある世代の治療や、生産年齢人口の復職支援には公費を全額投入する一方、人生の最終段階における「延命のみを目的とした高度医療」には公費の上限を設ける、といった「限られた医療資源を最大限活かす設計」が公的に行われます。

💡 自己負担の二極化

「上限を超えた無駄な医療(あるいは贅沢な医療)」を受けたい場合は、全額自己負担、または個人で加入する民間保険で賄う形になります。これにより、国家財政と個人の自由が分離されます。

📊 医療提供体制の構造転換

上限設定は、医療業界の構造を根本から破壊し、再構築します。

🏥 病院の淘汰

「寝かせきり」で稼いでいた病院は赤字になり、効率的に治して早期退院させる病院が利益を得る構造になります。

💊 製薬・機器メーカーの競争

「高くても国が買ってくれる」時代が終わり、「コストパフォーマンス(費用対効果)」が極めて厳しい薬しか採用されなくなります。

この無駄を放置したまま消費税増税(あるいは減税反対)を叫ぶのは、ガソリン漏れを起こしている車に「もっとガソリン(税金)を入れろ」と言っているのと同じです。

03.「国家の損益分岐点」の再設計を提案

もし私がこの「破綻しかけたシステム」を編集するなら、以下の3つのステップで「上限(キャップ)」を設けます。

本稿は「医療を切り捨てる」議論ではない。
本当に守るべき医療を守るために、守れない仕組みを変えようという提案である。

① 医療費版「マクロ経済スライド」の導入

高齢者数に比例して予算を増やすのではなく、「現役世代の支え手に合わせた総枠予算(グローバル・バジェット)」を策定します。

物価や賃金にスライドさせ、国家が負担できる上限を先に決める。
これこそがシステム思考における「制約条件の定義」です。

物価スライドのような仕組みで上限を決める」という提案は、小手先の「負担増」ではなく、「持続可能な国家へのOSの入れ替え」です。

これが実現すれば:

消費税減税:医療費の自動膨張が止まれば、減税の財源が明確になります。

手取り増:社会保険料の引き上げが止まり、現役世代の可処分所得が回復します。

② 医療の「インフラ」と「オプション」の分離

すべての医療を公費で賄うのをやめ、若年層や急性期治療は「インフラ(公費)」、高齢者の高度・延命医療は「オプション(自己負担・民間保険)」へと峻別します。

③ 民間保険への「支援金」スキーム

国が無限に責任を負うのをやめ、国民が民間保険へ移行する際の「保険料支援金」を出します。

「公的負担を減らす代わりに、民間保険の保険料を国が補助する(バウチャー制)」という仕組みです。

◎ 基礎医療(公助)

救急、感染症、若年層の治療、ベーシックな医療はこれまで通り。

◎ 高度・贅沢医療(共助)

高齢者の高度医療や、QOLを上げるための高額治療は「民間保険」に移行。

◎ 支援金(インセンティブ)

若いうちから民間保険に加入する人や、健康維持に努める人に対し、国が保険料の一部を補助(支援金を出す)。

なぜこれが「無駄な医療」を消すのか、客観的なメカニズムが働きます

🔍 民間保険会社の「査定」機能

公的保険は「言われるがまま払う」のが現状ですが、民間保険は利益を守るために「本当にその治療や薬が必要か」を厳格に審査します。これにより、医療機関側の「過剰な検査・投薬」にブレーキがかかります。

📊 予算の固定化

国は「医療費がいくら膨らむか怯える」必要がなくなり、「支援金として出す総額」だけを管理すれば良くなります。これがまさに「上限」になります。

この案への反論は「持病がある人や貧困層が民間保険に入れない」という点に集中しますが、それこそが「支援金の使い道」です。

ハイリスク層への集中投資

誰でも彼でも公費で支えるのではなく、本当に民間保険に入れない層(難病患者や困窮者)にだけ公費を集中させ、それ以外の層は「自助+支援金による民間共助」に切り替える。

選べる医療

「税金で決められた最低限の医療」か、「自分で保険を掛けて受ける高度な医療」か。国民に選択権を戻すことになります。

「国が医療のすべてを抱え込んで自壊するのをやめ、
国は『保険料の支援』という形で責任の範囲を限定し、
残りのリソースを消費税減税(経済活性化)に回せ」

という、究極の「国家のスリム化」です。

04. 可処分所得の回復こそが最大の経済対策

「医療費に上限を設ける」という議論は、一見すると残酷に聞こえるかもしれません。

しかし、これこそが「現役世代を解放し、日本の活力を取り戻す唯一の編集」です。

医療費の自動膨張(年間約1兆円)にブレーキをかけることができれば、消費税を減税するための数兆円単位の財源は自然と浮かび上がります。

💰 消費税減税(食料品ゼロ・標準5%)

💰 社会保険料の引き下げ(手取りの増加)

これが実現して初めて、現役世代の「可処分所得」が増え、内需が拡大し、健全な経済サイクルが回り始めます。

結論:日経記事の「沈黙」を読み解く

日経の記事が語らなかったのは、
「医療費という聖域にメスを入れれば、消費税なんて下げられる」
という事実です。

「消費税」は医療費の「延命装置」

冒頭の日経の記事に戻ると、学者が「消費税をゼロにするのはマイナス」と言う真意はここにあります。

「医療費という巨大な穴を埋めるために、消費税というバケツの水を止めるわけにはいかない」

つまり、消費税減税を議論することは、必然的に「医療費をどこまで削るか」という残酷な議論を引きずり出すことになります。学界やメディアは、その議論から逃げるために「財政の信認」や「円安リスク」という言葉で煙に巻いているのです。

私たちは、提示された「不完全な選択肢」の中で右往左往してはいけません。

問題は、医療現場の努力ではなく、努力が報われない報酬設計と制度疲労にあります。

編集者の視点で、前提条件を疑い、構造そのものを書き換える。

adversity(逆境)を strength(強み)に変えるための戦いは、
まずこの「不都合な真実」を直視することから始まります。

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