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NotebookLMとGeminiで社内相談Botを作る|Gems機能で実現するコーディング不要のRAG構築

NotebookLMとGeminiで
社内相談bot用のRAGをつくる
こんにちは。以前は「社内規定PDFをNotebookLMに読み込ませて、ソースを整理する」ところまで解説しました。
これだけでも”賢い検索”は可能ですが、実務で使うには「NotebookLMの画面を毎回開くのが手間」「もっと自然な会話形式で使いたい」という課題が残ります。
今回は、Gemini(Advanced / Business / Enterprise)とNotebookLMを連携させ、
社員が普段使いしているチャット画面から呼び出せる「社内相談Bot」を完成させます。
キーワードは、「Gems(ジェム)」による専門家Botの作成です。
ステップ1:なぜ「NotebookLM」単体では足りないのか?
NotebookLMは、RAG(検索拡張生成)の精度、つまり「嘘をつかずにドキュメントに基づいて答える能力」においては最強クラスのツールです。
しかし、社内Botとして展開するにはいくつか弱点があります。
❌ アクセス性
ユーザー(社員)がわざわざNotebookLMのURLを開く必要がある。
❌ 対話力
あくまで「ドキュメントの解説」に特化しており、「挨拶」や「気の利いた提案」などのエージェント的な振る舞いはGemini本家に劣る。
❌ マルチタスク
「規定を調べて(NotebookLM)」→「それをメールにして(Gemini)」という連携がスムーズにいかない。
そこで、
「頭脳はNotebookLM、窓口はGemini」
という構成を作ります。
ステップ2:GeminiからNotebookLMを参照する準備
2025年後半のアップデートにより、Geminiの拡張機能(Extensions)としてNotebookLMがよりシームレスに連携できるようになりました。
📝 設定手順
まず、Geminiの「設定」>「拡張機能」を確認し、Workspace拡張機能がONになっていることを確認してください。
これにより、Geminiはあなたの権限でアクセスできるNotebookLMのソースや、Googleドライブ内の整理済みフォルダを見に行けるようになります。
ステップ3:「Gems」で専用Botを定義する
💎 ここが今回のハイライトです
Gemini上で特定のタスクに特化したAI「Gem(ジェム)」を作成します。
1️⃣ Gemマネージャーから新規作成
Geminiを開き、「Gemマネージャー」から「新規作成」をクリック
2️⃣ 名前をつける
例:「社内規定ガイド(総務部)」
3️⃣ 指示(システムプロンプト)を書く
⚠️ ここが重要です。以下のように「役割」と「参照先」を明確にします。
あなたは株式会社〇〇の総務担当AIアシスタントです。
ユーザーからの質問に対して、必ず連携されているGoogleドライブ内のフォルダ「2026年度_就業規則一式」の内容(または指定のNotebookLM)を根拠にして回答してください。
【ルール】
• ドキュメントに記載がない場合は、勝手に創作せず「規定集には記載がありませんので、総務部(内線1234)へお問い合わせください」と答えてください。
• 回答の最後には、参照したファイル名を提示してください。
• 口調は丁寧ですが、簡潔に結論から述べてください。
4️⃣ ナレッジを追加する
Gemの設定画面で「知識(Knowledge)」や「ファイル」を追加する項目がある場合、ここでNotebookLM用に整理したデータセット(PDF群)を紐付けます。
これで、「保存」を押せばBotの完成です。
ステップ4:実務での動作テスト(RAGの挙動確認)
作成したGem「社内規定ガイド」を選択し、いくつか質問を投げてみましょう。
💬 テストケース
Q:質問
「来週からインフルエンザにかかったんですが、有給扱いになりますか?」
🔄 Geminiの内部動作:
1. ユーザーの意図を理解(「病欠」「有給」「インフルエンザ」)。
2. 連携された規定ファイル(NotebookLMのソース等)を検索。
3. 「特別休暇規定 第X条」に「感染症による出勤停止は特別休暇とする」という記述を発見。
4. 回答を生成。
A:Botの回答例
インフルエンザによる欠勤については、就業規則 第X条に基づき「特別休暇(有給扱い)」が適用される可能性があります。
ただし、出社時に医師の診断書または治癒証明書の提出が必要です。まずは直属の上長へ連絡し、勤怠システムで「特別休暇」を申請してください。
(参照:2026年度_就業規則.pdf)
このように、
「Geminiの会話力」+「社内規定の正確な知識」
が組み合わさります。
ステップ5:社内への展開と運用ルール
完成したGemは、リンクをコピーするだけで社内メンバーに共有可能です(Workspaceプランの場合)。
運用時のポイントは以下の2点です。
⚠️ 「ハルシネーション(嘘)」への免責を入れる
Botの初回メッセージや社内アナウンスで、「AIは間違える可能性があります。最終確認は原本で行ってください」と明記しましょう。
🔄 データの更新
就業規則が変わった場合、Gemini自体を作り直す必要はありません。
参照元のGoogleドライブ(またはNotebookLMのソース)内のPDFを差し替えるだけで、Botは常に最新情報を読みに行きます。
これがRAGの最大のメリットです。
まとめ:RAGは「作る」から「繋ぐ」時代へ
これまで社内Botを作るには、Pythonでコードを書き、Vector DBを構築し……というエンジニアリングが必要でした。
しかし、NotebookLMとGemini(Gems)の連携により、
2ステップだけで、実用的なRAGシステムが構築可能
1️⃣ ドキュメントを整理する(NotebookLM)
+
2️⃣ キャラ付けする(Gems)
コーディング不要で、誰でも社内の知識を
会話型AIとして活用できる時代が到来しています。



