【MBA × 現場思考①】なぜ今、現場にMBA思考が必要なのか?


目次
現場の力が“個人依存”になっていないか?


多くの企業が「個人技で持っている」「できる人が回している」状態に悩んでいます。
しかし、その状況は長続きしません。
属人性が強すぎると、人が抜けた瞬間に組織力は崩壊してしまう。
だからこそ、今必要なのは──
現場に“共通言語”を根づかせ、組織全体を底上げする「知のインフラ」づくりです。
その答えの一つが、MBA思考の導入にあります。
MBA思考とは何か?──ビジネスの“共通言語”


MBA(Master of Business Administration)で学ぶのは、「経営の意思決定に必要なフレームワークや分析手法」です。
戦略、マーケティング、ファイナンス、組織論…その内容は多岐にわたりますが、共通しているのは以下の点です。
“感覚”ではなく、“構造”で考える
誰とでも議論ができる“言葉”を持つ
属人的ではなく“再現可能”な判断基準を持つ
つまりMBA思考とは、組織の中に「考え方の共通土台」を作るためのツールキットとも言えるのです。
なぜ「今」なのか?──ボトムアップ型の組織変革へ


今、現場にはかつてないほど「複雑で不確実な変化」が押し寄せています。
正解がない時代、現場に判断を委ねる必要がある
イノベーションはトップダウンでは生まれにくくなっている
若手・中堅層が“自分ごと”として経営に参加する組織へ
こうした背景の中、現場の意思決定力・分析力・構想力を高めるためにこそ、MBA的な思考フレームが有効です。
▼ たとえば、こんなフレームワークがあります:
「SWOT分析」でチームの強みと課題を可視化
「バリューチェーン」で業務改善を論理的に検討
「3C」や「STP」で顧客視点の提案を構築
現場に“共通言語”があると、何が変わるのか?
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●上司と部下の会話が、戦略レベルで交わされる
→「何がしたいか」ではなく「なぜそうすべきか」が共有できるように。 -
●会議が“意見交換の場”から“意思決定の場”へ
→フレームがあることで、感情論ではなく構造的議論ができる。 -
●個人の思考が、再現可能な「組織知」に変わる
→属人化を防ぎ、誰でも学べるナレッジが蓄積される。
組織変革は「知の共通化」から始まる


トップダウンで新しい戦略を打ち出すことも大切ですが、“全員が考えられる組織”を育てることの方が、長期的には強い企業をつくります。
MBA思考は、経営層だけのものではありません。
むしろ、現場こそがその武器を持つべき時代です。
あなたの学びが、組織を変える
この連載では、MBAの理論を単なる知識で終わらせず、“現場で使える武器”として落とし込む視点でお届けしていきます。
- 自分のチームをもっと良くしたい
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そんなあなたの“次の一歩”を支える、実践的な経営の知恵袋。
それが「MBA × 現場思考」シリーズです。