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JTBD(Jobs To Be Done)とは?人は商品ではなく「人生の仕事」を雇っている

JTBD(Jobs To Be Done)
「人は商品を”買う”のではなく、
人生の中の”用事(仕事)”を片づけるために”雇う”」
マーケティングや商品開発の現場では、「なぜこの商品が売れたのか?」という問いが、当たり前のように投げられます。
しかし、その問い自体が、少しズレているとしたらどうでしょうか。
JTBD(Jobs To Be Done)は、「商品」ではなく、「人の人生の前進」に焦点を当てる考え方です。
「この考え方を知ると、
なぜ説明しても伝わらないのかが分かります」
01:人がドリルを買うのは、穴が欲しいからか?
それとも「DIYをしている父親像」を子どもに見せたいからか?
有名な問いがあります。
「人はドリルが欲しいのではない。欲しいのは”穴”だ。」
確かに、それは一理あります。でも、もう一段深く考えてみてください。
🤔 なぜ、その穴が必要だったのか
🤔 なぜ、自分で開けようとしたのか
🤔 なぜ、今このタイミングだったのか
もしかするとその行動は、
「子どもに”何かを作れる父親”としての姿を見せたい」
という仕事(Job)を片づけるためだったのかもしれません。
JTBDは、「機能の奥にある”意味”」を問いに行きます。
02:ミルクシェイクが売れる理由は「甘いから」ではない
JTBDの代表例が、ミルクシェイクの話です。
調査すると、朝にミルクシェイクを買う人の多くは、
甘さを求めていたわけでも
栄養成分を比較していたわけでもありませんでした。
彼らが”雇っていた仕事”はこうです:
✓ 片手で飲める
✓ 腹持ちがいい
✓ 通勤中の退屈を紛らわせてくれる
つまり、「退屈で長い通勤時間を、少しマシな時間にする」という仕事です。
この瞬間、競合は「他社のミルクシェイク」ではなく、
バナナ・ドーナツ・音楽・ラジオになります。
03:JTBDの基本構文 ─ When / I want to / So I can
JTBDは、次の形で整理されます。
When(状況)
いつ、どんな状況で
I want to(進めたいこと)
何を実現したいのか
So I can(得たい変化・状態)
それによってどうなりたいか
📝 例:通勤中のミルクシェイク
When:
忙しい朝の通勤中
I want to:
手軽に満足感を得たい
So I can:
空腹と退屈を同時に解消できる
重要なのは、商品名が一切出てこないことです。
ここにこそ、設計のヒントがあります。
04:「なぜ選ばれたのか」より「なぜ”切り替えられたのか”」【Why Switch】
人は基本的に、変化を嫌います。
それでも人が行動を変えたとき、そこには必ず、
❌ 現状への不満
✨ 期待していた未来
⚠️ 切り替える不安
この3点が同時に存在しています。
JTBDが強いのは、
「なぜ買ったか」ではなく
「なぜ”今までのやり方をやめたか”」
を説明できる点です。
ここを理解できない限り、
価格競争・機能競争からは抜け出せません。
05:すべての根源は「人の欲求」にある
しかも、それは人それぞれ違う
同じ商品でも、
🛡️ 安心を買う人
💪 自信を買う人
👥 周囲からの評価を買う人
がいます。
JTBDは、「正解の顧客像」を作るフレームではありません。
むしろ、
「人はこんなにも違う仕事を抱えて生きている」
という前提に立つための思考法です。
06:ユーザーをより幸せな感情に導く「設計図」を作れ
JTBDを理解すると、設計の視点が変わります。
従来の視点:
何を売るか
機能を足す
説明を増やす
⬇️
JTBDの視点:
✓ どんな前進を支援するか
✓ 不安を減らす
✓ 納得を増やす
最終的に求められるのは、
ユーザーが”自分で選んでよかった”
と思える状態です。
そのための設計図を描くこと。
それこそが、JTBDを実務に落とし込むということです。
まとめ
✓ 人は商品を買っているのではない
✓ 人生の中の「仕事」を外注している
✓ 仕事の正体は、状況・感情・前進の組み合わせ
✓ だから設計すべきは「機能」ではなく「前進」
この視点を持つだけで、マーケティング・接客・サービス設計の見え方は一段深くなります。
「売れない理由」を探す前に、
その人が、どんな人生の仕事を
片づけたかったのか。
そこから、すべてが始まります。



