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2024.11.24

ビジネスモデルキャンバスの書き方

ビジネスモデルキャンバスとは!?9つの構成要素

ビジネスモデルキャンバスBusiness Model Canvas)は、ビジネスモデルを視覚的に整理し、重要な要素を一目で把握できるツールです。

新規事業やアイデアの検討に役立つため、起業家やプロジェクトリーダーにとって非常に有益です。

ビジネスモデルキャンバスは9つの構成要素から成り立っており、これらを埋めていくことで、ビジネスの全体像が明確になります。

以下はその9つの構成要素と、その概要です。

価値提案Value Propositions

どのような価値を顧客に提供するか。
顧客の課題やニーズに応える商品やサービスの強みを明確にします。

顧客セグメントCustomer Segments

どの顧客層をターゲットにしているのか。
対象となる顧客層や市場を具体的に定義します。

チャネルChannels

顧客にどのように価値を届けるか。
販売ルートや配信方法など、顧客が商品やサービスに触れるまでの経路です。

顧客との関係Customer Relationships

顧客とどのような関係を築くか。
リピーターやファンを増やすための施策やサポートについて記入します。

収益の流れRevenue Streams

どのように収益を得るか。
商品の販売方法や、サブスクリプションなどの収益モデルについて明示します。

主要活動Key Activities

ビジネスを成り立たせるために必要な活動は何か。
製品開発、マーケティングなど、事業の遂行に欠かせない作業です。

リソースKey Resources

ビジネスに必要なリソースは何か。
人的リソース、物的リソース、知的リソースなどを記載します。

パートナーKey Partners

どのパートナーや協力者が事業をサポートするか。
サプライヤーや提携企業、サポート組織についてです。

コスト構造Cost Structure

どのようなコストが発生するか。
固定費や変動費など、事業運営にかかるコストを明示します。

この9つの項目を記入することで、ビジネスモデル全体を把握しやすくなります。
それでは、実際にキャンバスを埋める手順を見ていきましょう。

Step①:価値提案から考察する

ビジネスモデルキャンバスを作成する際、最初に取り組むべき要素は「価値提案Value Propositions)」です。

価値提案とは、ビジネスが顧客に提供する独自の価値や解決する課題のことを指します。
このステップがしっかり定まっていると、他の要素もスムーズに埋めていくことができます。

何を提供するのか

顧客のどのようなニーズや問題を解決できるのかを明確にしましょう。
価値提案は、その製品やサービスがなければ解決できないニーズに応えるものであるべきです。

たとえば、「忙しい人向けに手軽に食べられる健康食品を提供する」など、具体的に記載するとよいでしょう。

競合との差別化

同じ市場で競合する他社との差別化ポイントも重要です。
競合商品やサービスと比べ、どの点で優位性を持つかを考え、「独自の栄養成分を使用」や「他社にはないサービスを提供する」といった特徴を強調します。

価値提案を通じて、顧客がどのように満足感や利益を得られるのかが明確になると、他の構成要素の方向性も定まりやすくなります。

Step②:顧客(ターゲット)、チャネル、関係性を考察する

次に考えるべきは、顧客セグメントCustomer Segments)、チャネルChannels)、顧客との関係Customer Relationships)です。

このステップでは、価値提案を届ける対象顧客や、どのようにして顧客とつながりを持つかについて深掘りします。

顧客セグメント(ターゲット)

価値提案が明確になったら、それが必要とされる顧客層を考えます。
ターゲットは一つに絞る必要はなく、複数のセグメントを設定しても構いません。

たとえば、「健康志向の若者」「忙しいビジネスパーソン」など、ニーズに応じたセグメントが設定されます。

チャネル(Channels)

顧客にどのように価値提案を届けるかを考えます。
販売チャネル、配信方法、マーケティングの手法など、顧客が商品やサービスにアクセスできる方法をリストアップします。

たとえば、オンラインストアでの販売、店舗販売、SNS広告などを組み合わせて考えると良いでしょう。

顧客との関係(Customer Relationships)

顧客とどのような関係を築きたいのかも重要です。新規顧客の獲得、既存顧客の維持、リピーターやファンの育成など、顧客の段階に合わせた関係構築が求められます。

サポートや特典、パーソナライズされたサービスなど、顧客が「このサービスに価値がある」と感じられる要素を意識しましょう。

これらの要素を具体的に記載することで、顧客にどうアプローチし、どのようにしてつながりを深めていくかが明確になります。

Step③:収益性とコスト構造を考える。バリュー・ベース・プライシング

ビジネスモデルキャンバスの仕上げに、収益性Revenue Streams)とコスト構造Cost Structure)を整理します。
特に「バリュー・ベース・プライシング」という価値に基づいた価格設定についても検討することが重要です。

収益性(Revenue Streams)

ビジネスで収益を得る方法について考えます。

たとえば、単純な販売収益のほか、サブスクリプション型の収益、アプリ内課金、広告収益など、複数の収益モデルを取り入れることで安定した収益が見込めます。

どのモデルが顧客にとっても価値を提供し、かつ安定した収益につながるかを考えましょう。

コスト構造(Cost Structure)

次に、ビジネスを運営するために必要なコストを明確にします。

主に固定費設備費や人件費)と変動費原材料費など)に分けて記入すると良いでしょう。
コストを洗い出すことで、利益率の見通しも明確になり、どの部分で効率化が図れるかの判断材料にもなります。

バリュー・ベース・プライシング

価格設定の際には、単にコストに利益を上乗せする「コストプラス」方式ではなく、提供する価値に基づいて価格を設定する「バリュー・ベース・プライシング」も検討しましょう。

顧客がどれだけの価値を感じ、どのくらいの金額を支払う意思があるかを見極めることで、適切な価格設定ができます。

たとえば、独自の機能を持つ製品や、ブランド価値が高いサービスであれば、顧客にとっての価値を基準に価格を設定することで、収益性を高めることが可能です。

このように収益とコストのバランスを検討し、価値に基づいた価格設定を行うことで、ビジネスの持続可能性と収益性が高まります。

おわりに

ビジネスモデルキャンバスを用いることで、ビジネスの全体像を可視化しやすくなり、戦略的な視点での見直しが可能です。

価値提案から顧客との関係、収益性とコスト構造までを一貫して考察することで、競争力のあるビジネスモデルを構築できます。

ビジネスモデルキャンバスは、新規事業の検討はもちろん、既存事業の再評価にも有用なツールです。
ぜひ今回のステップを参考に、自社のビジネスモデルをブラッシュアップしてみてください。