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現代は、美容疲れ!?価格帯から種類、ブランド乱立。

美容マニアは、ブランド買いではなく、成分分析まで

かつて「美容」といえば、デパートの化粧品売り場に並ぶ大手ブランドが中心でした。

しかし、今やドラッグストアからSNS発の新興ブランドまで、無数の商品が氾濫しています。

価格帯もプチプラから高級ラインまで幅広く、消費者は選択肢が多すぎて、むしろ「美容疲れ」を感じる時代になってきているのではないでしょうか。

コロナ禍をあけ、美容市場はさらに加速

コロナ禍でマスク生活が続いた数年間は、「リップ需要の低下」や「アイメイク需要の増加」といったトレンドが見られました。

アフターコロナに突入した現在は、外出やイベントの増加により、再び化粧全般への関心が復活。国内美容市場は年間3兆円規模を維持しつつ、カテゴリー別シェアも絶えず動いています。

とりわけSNSでの情報拡散力が強く、1本の動画や口コミで売上が急上昇するケースも珍しくありません。

乱立するブランドとカテゴリー

美容市場は、かつての「百貨店ブランド vs ドラッグストアブランド」といった二極化構造から大きく変化しました。現在は以下のようなセグメントが乱立しています。

  • プチプラ系(1,000円前後):学生や若年層を中心に爆発的なシェア。
  • ミドルレンジ(3,000〜5,000円台):成分重視層に人気。韓国コスメや国産新興ブランドが食い込む。
  • ハイブランド(1万円以上):ラグジュアリー志向層に根強い需要。贈答用にも。

カテゴリーも多様化し、基礎化粧品・メイクアップ・ヘアケア・インナーケア・デバイス系(美顔器など)まで拡大。さらに「オーガニック」「ヴィーガン」「クリーンビューティー」など価値観に基づく選択肢が増えています。

プチプラ系(〜1,500円前後)

  • 資生堂「インテグレート」「マジョリカ マジョルカ」
  • 伊勢半「ヒロインメイク」
  • ロート製薬「肌ラボ」
  • 韓国ブランド「ETUDE」「peripera」

→ 手軽に試せる価格帯で、SNS拡散力が高く、学生や20代前半層に圧倒的支持。

ミドルレンジ(2,000〜6,000円台)

  • 花王「SOFINA iP」
  • カネボウ化粧品「KANEBO」「freeplus」
  • コーセー「雪肌精」「エスプリーク」
  • 韓国発「CLIO」「rom&nd」
  • 米国発「The Ordinary」「CeraVe」

→ 「成分買い」を意識する層が多く、ナイアシンアミドやビタミンCなど機能性に注目が集まる。

デパコス(8,000円〜数万円)

いわゆる百貨店コスメ(デパコス)は、ブランド体験・カウンセリング・限定品需要が強いセグメント。

  • 資生堂「クレ・ド・ポー ボーテ」
  • カネボウ「LUNASOL」「SENSAI」
  • コーセー「DECORTÉ」
  • アルビオン(ALBION)
  • POLA「B.A」シリーズ
  • 海外勢「CHANEL」「Dior」「Lancôme」「Estée Lauder」「Guerlain」

→ 「憧れ」「自己投資」の象徴として、リピート層も多い。近年はギフト需要・ホリデー限定コフレがSNSで大きな話題に。

新興・ニッチブランド

  • オルビス(ORBIS):オイルカット処方で敏感肌層から支持
  • ファンケル(FANCL):無添加化粧品の代表格
  • アンファー「スカルプD」:男性スカルプケア市場を牽引
  • ドクターズコスメ(Obagi、Dr.Ci:Labo、ナビジョンなど):医療連携を訴求

男性基礎化粧品市場の急成長

これまで日本の化粧品市場は女性中心でしたが、ここ数年で男性基礎化粧品市場が大きく伸びているのが特徴です。

日本の男性化粧品市場規模は 約1,300億円(2023年) とされ、年々拡大中。

特に基礎化粧品分野(洗顔料・化粧水・乳液など)は2013年からの10年間で 約1.5倍 に拡大しました。

市場調査会社の予測では、2025年には 2,000億円規模、さらに2030年には 3,000億円規模 へと成長する可能性があります。

背景

  • 20〜30代男性の美容意識の変化 → 「清潔感」が就職・営業活動など社会的評価に直結。
  • SNSやYouTubeの男性インフルエンサーの台頭 → 美容レビューやスキンケアルーティン動画が広く拡散。
  • 企業のマーケティング強化 → 資生堂「uno」、花王「ニベアメン」、オルビス「ORBIS Mr.」など、男性専用ラインが拡充。

スキンケアだけでなくBBクリーム、日焼け止め、ヘア・頭皮ケア商品の需要も拡大し、「メンズ美容」=日常習慣という流れが加速しています。

年代別スキンケア利用率(2024年・民間調査)

  • 10代男性:約45% がスキンケアを実施
  • 20代男性:約65% が日常的に基礎化粧品を使用
  • 30代男性:約55%
  • 40代男性:約40%

若年層ほど「美容=当たり前」という意識が強く、特に大学生・新社会人を中心に浸透しています。

EC(ネット通販)の比率

男性用化粧品の約35〜40%がEC経由で購入され、全体平均よりも高い水準。特に Amazon、楽天市場、Qoo10 といったECモールやブランド公式サイトでの定期購入が増加。購入のきっかけは SNS広告・YouTubeレビュー が過半数を占め、従来の店頭カウンセリング型とは対照的な広がりを見せています。

美容への情熱が疲弊感を招く?

一方で、消費者の側に立つと「美容疲れ」という現象も顕著です。

  • 流行の変化が早く、次々に新商品を試すコストがかさむ
  • 成分や効能を比較・分析する情報収集に時間を奪われる
  • 「美しくあるべき」という無言のプレッシャーが精神的な負担に

特に美容マニア層は「ブランド買い」から「成分買い」へとシフトし、ラベルの裏側を読み込み、研究者さながらの分析を行っています。これは知識欲を満たす一方、時間・コスト・精神的リソースを消耗することにもつながります。

実際のデータ

  • 日本人女性の年間美容関連支出:平均7万〜10万円(20〜30代は平均12万円前後)
  • 美容にかける1日の平均時間:約30〜45分(スキンケアとメイクアップが大半)
  • 美容マニア層:年間20万円以上の支出、週5時間以上の情報収集も報告

海外との比較

  • 韓国:K-Beautyブームの本場。女性の年間美容支出は平均15万〜20万円。美容施術との併用が一般的。
  • 欧米(米国・フランスなど):米国女性の年間美容支出は約500〜700ドル(約7万〜10万円)で日本と同水準。男性の約40%がスキンケアを日常的に使用。
  • 中国:Z世代女性の年間支出は15万〜25万円規模に達することも。ライブコマースでの購入が主流化。

美容疲れの共通点は、世界的に見ても「美容は楽しみでありながら、時間とお金を消耗する活動」になりつつある点です。SNSの普及により流行サイクルが加速し、消費者は常に“アップデートし続ける義務感”を抱えています。

まとめ:美容は“楽しみ”か“疲れ”か?

美容は本来、自分を表現し、自信を高めるための楽しい営みです。しかし、選択肢が増えすぎた現代では、逆に「疲れ」として跳ね返ることもあります。

大切なのは、「情報や流行に振り回されない、自分なりの基準を持つこと」です。ブランド乱立の時代だからこそ、成分や価格だけでなく、“自分のライフスタイルに本当に合うかどうか”を軸に選択することが、長期的に心と体をラクにしてくれます。

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