参院選へいこう!――国の財源、ほんとうに足りないの?キャッシュフローとストックで考える


目次
税収は絶好調!3年連続で年率10%以上の伸び


最近のニュースでは「日本は借金まみれだ」「消費税増税は不可避」など、暗い財政話が並びますが、本当にそうでしょうか?
実はここ数年、国の税収は右肩上がり。毎年最高税収の更新が続いています。
📊 税収の推移(一般会計)
年度 | 税収額(兆円) | 前年比増減率 | 備考 |
---|---|---|---|
2022年度(実績) | 71.1兆円 | +10.1% | 初の70兆円超え(過去最高) |
2023年度(実績) | 72.5兆円(速報値) | +2.0% | 景気回復・税務強化の影響 |
2024年度(予算) | 75.3兆円 | +3.9% | 消費税・法人税が堅調に増加見込み |
※出典:財務省「令和6年度予算のポイント」、国税庁統計速報等
特に法人税と消費税の増加が顕著で、企業業績の改善や物価上昇が「税収インフレ」を引き起こしているとも言えます。
つまり、「税収が減っているから財源が足りない」というのは、少なくともこの3年間のデータを見る限り、事実と異なるのです。
社会保険料は別会計で65兆円もある


「社会保障にお金がかかるから増税を」――よく聞きますよね。
でもちょっと待ってください。
社会保険料は税金とは別に、すでに年間65兆円も集められています。
これは企業と労働者が半分ずつ負担している保険料で、年金・医療・介護の主な財源です。
つまり、「税だけで社会保障をまかなっている」わけではありません。
☆それでも足りない理由は?
- 高齢化で給付額が急増している
- 保険料ではカバーできない 生活保護・子育て支援 などが増えている
- 医療費の伸びが想定を上回っている
毎年、税収 約75兆円と社会保険料 約65兆円を合わせて、
年間約140兆円のキャッシュフローが生み出されています。
ただし、社会保障費は毎年130兆円以上かかり、年2兆円以上増加していっています。
簡単に言えば、医療と年金、子育て支援に生活保護に90%以上使っているということです。
よく考えてみてください!
収入の9割を社会保障に使用するのは健全ですか?
北欧の福祉国家でも25~30%となっています。
これを一つの家計と捉えれば、このように支出を決めることまずしないでしょう。
収入・支出・効果・必要性のバランスを見て、できる範囲でやるべきです。
国民に我慢させるのでなく、事実をわかりやすく伝えるべきでしょう。
🔍 重要な補足視点
- 保険料は本来「保険原理」に基づく独立財源 → しかし赤字が出て税金で補填
- 高齢化により、保険料と税の区別が曖昧化(=統合的なキャッシュ管理が必要)
- 北欧は税一本化で明瞭な透明会計
- 日本は「特別会計」で構造が見えにくい
「税金が足りない」のではなく、
保険料を含めた支出全体が“社会保障に偏重”していることが本質的な課題です。
「9割使っている」という事実ベースの数字をもとに、
税・保険料・国債を合わせてバランスシートで見る視点が不可欠です。
国のストック収益は“隠れ資源”では?もっと明瞭に!


国の財政は、「毎年の収入=税金や保険料」だけでは語れません。
それだけでなく、国が保有する膨大な資産=ストック(国有地、金、米国債、日銀株など)もあります。
これらは毎年安定した収益(インカムゲイン)を生み出しているにもかかわらず、
「税収」や「歳入」に明示されることはほとんどありません。
📘 国が保有する主な資産と年間収益
資産種別 | 保有主体 | 資産規模(概算) | 年間収益(予測) | 備考 |
---|---|---|---|---|
日銀の資産 | 日銀(政府55%出資) | 約660兆円 | 約2.0兆円 | 剰余金として政府に納付(2024実績:2.15兆円) |
外貨準備(米国債等) | 財務省(外為特会) | 約200兆円 | 約4〜4.5兆円(利息) | 米国債利回り4〜4.5%、特会に留保中 |
金(ゴールド) | 財務省(外為特会) | 約846トン | 約0.4〜0.8兆円(含み益) | 年間5〜10%上昇仮定。未実現利益 |
GPIF(年金運用) | 年金特別会計 | 約250兆円 | 約10〜11兆円(実績) | 将来年金給付原資、国庫には入らず |
国有財産(土地等) | 財務省ほか | 約750兆円 | 約1兆円(試算) | 現実収益は数千億円未満 |
財政融資資金 | 財務省(特会) | 約120兆円 | 約0.5〜1兆円(貸付利息) | 政策金融機関等への貸出からの利息収入 |
合計で、20兆円規模となり、株式の簿価ではなく、実勢価格でみればさらに資産は増えます。
1200兆円あるといわれる国債費の利払いは約9.5兆円に対して、収益のほうが大幅に上回っています。
税収+社会保険料+資産の増加→毎年160兆円規模の会計を組むことが可能ということになります。
さらにインフレによって国債の累積発行額は、GDP比率でみると年々減少していくでしょう。
不安をあおる報道…財務省の意図?メディアの視聴率狙い?


「財政破綻」「年金崩壊」「次は消費税20%?」
こうしたワードがメディアに並ぶたびに、私たちは不安になります。
でもその裏には、財務省の“統制したい力”や、メディアの視聴率稼ぎの側面があるのでは?
数字を冷静に見れば、「増税前提」のストーリーには違和感もあります。
問題なのは、見えない財源、見せない資産の存在かもしれません。
一般会計と特別会計を国民に分けて説明する必要はありません。
税収も社会保険料や特別会計に組み込まれる金額込みでアナウンスするべきでしょう。
さらに医療体制も変革は急務です。
少子高齢化及び人口ピラミッドがいびつである以上、今のままの社会保障体制は、この国にとって、贅沢すぎる体制なのです。
💡 ではどうすればいいのか?
- 予防医学を推進し、構造的に健康でいられる社会体制を構築する
- 収入ではなく、資産を多く持つ層に適切な負担を求める
- 先進医療の保険適用を見直し・限定する
- 生活保護者への職業あっせん(介護・見守りサービスなど)を通じて、社会保障費を抑制
⚠️ 消費税40%でも維持したい社会保障制度ですか?
社会保険料を廃止すると、消費税だけで現行制度を維持するには 税率40%相当が必要になります。
それほどまでに巨大な社会保障制度を、私たちは今、「なんとなく」維持しているのです。
財源をどう配分するかではなく、どのように抑制し、投資し、未来の国家財政を目指していくのかという議論が必要なのです。
消費税は社会保障費のために使うと政治家は言いますが、税と社会保険料を分けてはだめなのです。
社会保険料を廃止すると消費税は10%で税収20兆円ですから40%規模になります。
今の社会保障制度を維持するために、消費税40%支払いますか?
そうなると、国家経済は破綻してしまうでしょう。
しかしそれほどの規模社会保障制度を現在維持していることをもっと自覚すべきです。
メディアも政治家も国家ビジョンの議論をしません。
場当たり的な、減税、給付の話し合いのみです。
国も家計も、PLとバランスシートの“両面思考”を持とう


個人の家計であれば、「収入と支出(PL)」と「資産と負債(BS)」を両方見るのが当然です。
国の財政も同じです。
でも実際の政治では、「借金=国債残高」ばかり強調され、ストック(資産)や収益性の議論は後回しにされがちです。
✅ 国が目指すべき財務ビジョンとは?
- 資産を活かして “増税なき財源” をつくる
- ストックとフローのダブル戦略で財政運営
- 財務の 見える化 と、国民への 説明責任
- 不安をあおるのではなく、データに基づいた信頼構築
さあ、参院選へ行こう!
「国の財源はどうあるべきか」――これは私たち一人ひとりが考えるべきテーマです。
政治家の言葉に振り回されず、数字と構造で未来を選びに行きましょう。