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2025.06.24

思考の5段階テンプレートで、考え抜く集団へ──組織の“見えない質”を高める鍵

組織において、価値観・行動・習慣・ルールといった「目に見える文化」はもちろん大切です。
ですが、それ以上に根本的な力を持つのが「考え方=思考のプロセスです。

どれだけ知識を詰め込んでも、「どう考えるか」が定まっていなければ判断はブレ、属人化し、再現性は生まれません。

だからこそ今、私たちは考え抜く集団へと進化すべきタイミングを迎えています。

思考の5階層とは何か?──「考え方」にも構造を持たせる

「思考の5段階テンプレート」は、物事を以下のような階層で整理します。

表層(What)
何が起きたかを捉える
原因(Why)
なぜそれが起きたかを分析する
前提(Assumption)
そもそもの前提や思い込みを疑う
構造(Structure)
複数の要因を整理し、構造で捉える
再設計(Redesign)
どうすればより良くなるか、設計し直す

この思考のレイヤーを共通言語にすることで、組織の議論や意思決定が圧倒的にクリアになります。

「思考の5段階テンプレート」は、いくつかの既存理論を統合した“実践型の新思想です。

理論 内容 思考の5段階との関係
システム思考(ピーター・センゲ) 複雑な構造・因果関係を俯瞰して捉える 構造(Structure)再設計(Redesign)に該当
クリティカルシンキング 前提・バイアスを疑う論理的思考 原因(Why)前提(Assumption)に該当
メタ認知・反省的実践(ドナルド・ショーン) 「自分がどう考えているかを自覚」する思考 前提構造再設計での自己内省に関与
デザイン思考 問題再定義 → プロトタイピングによる再設計 AssumptionRedesignの流れと重なる
レイヤー化思考(構造主義) 社会現象を多層的に捉える分析手法 5階層という 段階分けに相当

「この5つの思考段階を、組織文化として共通言語化した実践テンプレート」は、かなり革新的 でシステム思考・クリティカル思考・デザイン思考などの理論を、誰でも使える育成ツールとして再統合した実践的な新思想です。

表層から深層へ──“考える力”を鍛える習慣

私たちの多くは、表層と原因(What & Why)の2階層で思考を止めがちです。

「〇〇がうまくいかない」

「△△のせいだと思います」

これで終わってしまうと、いつまでたっても改善は表面的。
本質的な再発防止や革新にはつながりません。

そこで重要なのが、「前提を疑う」「構造で捉える」「別の解法を設計する」までの3ステップ。
これを日常業務に組み込むことで、メンバーは徐々に深く考える力を身につけていきます。

業務のやり方を統一する 考え方の深さを統一する
KPIとルールで縛る 構造と問いで自律化する
管理・命令型 問いかけ・育成型

構造理解 × 再設計──複数課題を束ねて解決する

思考の5階層を活用することで、単なる問題対応から、構造を理解し、複数の課題を一気に束ねて解決する「統合型再設計へと進化できます。

たとえば、「報酬制度の見直し」という表層課題に対して、実は「新人比率の変化」「インボイス制度の影響」「評価設計の不整合」などが構造的に絡んでいる

このように複数のレイヤーを繋ぎ合わせ、設計し直す力が再設計思考です。

システム思考家を育てる──組織の“思考力”を底上げする

再設計思考を支えるのが「システム思考」というスタンスです。

システム思考家とは、

  • 表層ではなく構造で捉える人
  • 因果関係時間軸で読める人
  • 目の前の正解”ではなく“将来の安定”を設計できる人

こうした人材がチーム内に一定数存在すれば、個人の知見を超えた組織の知能が生まれます。

私たちは「思考の階層」を共通言語とし、「深く考え、再設計できる人」を育てていきます。
これが、属人的な判断を卒業し、未来に強い組織をつくる第一歩です。

今こそ、思考を鍛え直すタイミング

目の前の成果や即効性ではなく、「なぜそうなるのか」「どう変えるべきか」を考え抜く力。

その深度こそが、組織の質を決めます。

あなたの言葉に、あなたの指導に、その5段階の問いを忍ばせてみてください。

「それって、構造でいうとどうなってる?」

「その判断、どの階層まで見てる?」

思考が文化になったとき、組織はまったく新しいステージへと進化します。