高機能リカバリーウェアについて考察する


仕事や運動で疲れた体を癒やすのは、良質な睡眠や休養が欠かせません。
近年、そのサポート役として注目されているのが「リカバリーウェア」です。
単なるパジャマや部屋着とは異なり、素材やテクノロジーを活かして疲労回復を助けるとされる衣類は、今やアスリートだけでなく一般の人々にも広がりを見せています。
本記事では、その仕組みや背景、そして市場をリードするプレイヤーについて考察していきます。
目次
最近はやりのリカバリーウェアとは何か?


近年注目を集めている「リカバリーウェア」とは、睡眠時や休養時に着用することで、疲労回復やリラックス効果をサポートする高機能型のウェアのことです。
遠赤外線効果や体温調整機能、筋肉の緊張を和らげるといった効果をうたっており、アスリートから一般層まで幅広く利用が広がっています。
従来のパジャマや部屋着と異なり、科学的な素材技術や健康志向を背景に市場が拡大している点が特徴です。
専用ブランドの高機能タイプで2万円~とその価格の高さからも注目を浴びています
ゲルマニウム・トルマリン・酸化チタンを利用した肌着は、最近に限ったものではない?


実は「機能性素材を練り込んだ肌着」の歴史は意外と古く、ゲルマニウム、トルマリン、酸化チタンといった素材を使った商品は20年以上前から存在しています。
これらは血流促進や温熱効果を期待させるもので、農協や量販店で扱われた経緯もあります。
つまり、現在のリカバリーウェアのルーツはすでに以前から市場に存在しており、いわば「現代的な進化版」として再評価されているとも言えるでしょう。
本当はパジャマよりも肌に密着するものが相性が良い


リカバリー効果を謳うのであれば、ゆったりしたパジャマよりも、肌に密着するインナー型の方が効率的です。
体温変化や遠赤外線の効果をダイレクトに体へ届けやすいからです。
そのため、下着やコンプレッションウェアタイプの方が素材の特性を最大限に引き出しやすいと考えられます。
さらに近年では、手首・足首を温める専用サポーターや、腰痛対策のベルトといった「部分的に密着させるアイテム」もリカバリーウェアの一種として注目されています。
血流が滞りやすい関節や腰回りをピンポイントでサポートできるため、全身タイプとはまた違った実用性を持っています。
こうしたアイテムと全身用インナーを組み合わせることで、より効果的な休養環境を整えることが可能です。
ワークマンは、上下で3000円弱で販売開始
この流れを最初に大衆向けに広げたのがワークマンです。
上下セットで3,000円弱という圧倒的な低価格で市場に投入したことで、リカバリーウェアが一気に「身近な商品」になりました。
ワークマンは従来から機能性ウェアに強みがあり、そのコストパフォーマンスは他社の追随を許しません。
消費者にとっては「まず試してみよう」という入り口を提供した存在と言えるでしょう。
高機能型の肌着はやはりユニクロが本命か?
ただし、長期的に市場をリードするのはやはりユニクロだと考えられます。
理由は、ヒートテックに代表されるように「高機能インナーを日常生活に浸透させる」ことに成功してきた実績です。
ユニクロは大量生産と素材開発を組み合わせ、機能性とファッション性を両立させるのが得意分野。
今後「リカバリーウェア」を日常着レベルまで普及させるのはユニクロのようなグローバルSPAブランドになる可能性が高いでしょう。


まとめ
リカバリーウェアは、決して最近生まれた新しい発想ではなく、ゲルマニウムやトルマリンなどを用いた機能性肌着の進化版といえます。
ただし、当時と大きく異なるのは「着心地の良さ」と「価格の手頃さ」を兼ね備えた商品が登場している点です。
パジャマよりも密着型のインナーやサポーター・ベルト類が効果的であること、そしてワークマンの低価格参入やユニクロの素材開発力によって、機能性ウェアが一気に身近な存在になる期待は、インナーウェア市場にとって大きな転換点です。
今後は「高機能 × 手頃な価格 × 日常使いできるデザイン」の三拍子が揃うことで、リカバリーウェアは単なる健康グッズから、生活必需品の一部へとシフトしていくでしょう。