18歳未満の方はコチラから退場ください。
2023.12.13

第十三話:『再びの光 – 自信の回復 – 』

『夜明けを待ちながら – 星降る街の物語 – 』

アンゾフの成長マトリクスでビジネスを拡大する

 新しいマーケティング戦略を実行に移した大地と美咲は、徐々に店舗の売り上げが回復し始めるのを目の当たりにした。

 この成功は、市場にも衝撃を与えるとともに、競合店、模倣店の売上は徐々に下降していった。また、二人に新たな自信を与え、先の売り上げ低迷による挫折感から彼らを解放した。

 大地は、美咲と共同で策定した新しいマーケティング戦略の成果を見て、自分の能力を再評価するようになった。彼は以前よりも自信を持って仕事に取り組むようになり、美咲との連携も以前にも増して強固なものになった。

 一方で美咲もまた、大地との協働による成果に自信を深め、彼の信頼をより一層強く感じるようになった。彼女は大地の実直さと問題解決能力を高く評価し、彼と一緒に働くことで得た経験が自身の成長に大きく寄与していることを実感していた。

 新たな戦略の成功により、店舗は再び地域の注目を集め始め、顧客からの肯定的なフィードバックが増えた。大地と美咲はこの成果を基に、さらに店舗のサービスの質を向上させるための施策を続けた。

次の手戦略
企業や組織が将来の成功に向けて重要な戦略的ステップを踏みます。
このアプローチでは、アンゾフの成長マトリクスが有名です。

アンゾフの成長マトリクス

アンゾフの成長マトリクスとは、事業の成長戦略を考えるためのフレームワークです。
製品と市場の2つの要素をそれぞれ既存と新規に分けて、4つの象限に分類します。
それぞれの象限には、以下のような戦略があります。

市場浸透戦略
既存の製品を既存の市場でより多く販売することで、市場シェアや売上を増やす戦略です。
価格競争やマーケティング活動などが重要になります。
この戦略は、リスクが低い反面、成長の限界もあります。

新製品開発戦略
新しい製品を既存の市場で販売することで、市場のニーズに応えたり、競合と差別化したりする戦略です。
製品開発やイノベーションが必要になります。
この戦略は、リスクがやや高い反面、成長の機会もあります。

新市場開拓戦略
既存の製品を新しい市場で販売することで、市場の拡大や新規顧客の獲得を目指す戦略です。
海外進出や新たなターゲット層の開拓などが該当します。
この戦略は、リスクが高い反面、成長の可能性も高いです。

多角化戦略
新しい製品を新しい市場で販売することで、新たな収益源を確保する戦略です。
自社の技術やノウハウと関連性のある水平型多角化や、バリューチェーンの川上や川下に進出する垂直型多角化、自社の強みを活かした集中型多角化、自社の事業とは無関係な集成型多角化などがあります。
この戦略は、リスクが最も高い反面、成長のポテンシャルも最も高いです。

 この時期、大地は自分自身に対する自信を完全に取り戻し、新たな挑戦に対する意欲を見せ始めた。彼は美咲と共に、店舗の拡大や新しいサービスの開発について検討を始めた。彼らは、今までにない革新的なアイデアを実現するために、互いに刺激を与え合った。

美咲「この中では、市場浸透か、新市場開拓が選択できるわ。」
大地「そうだね、市場浸透を図りつつ、他のエリアへ出店しエリアの拡大を目指すことが一般的だね。」

「拡大の方法として、水平展開と垂直展開がある、2つの違いは、・・・」

水平展開

水平展開とは、既存の製品やサービスを新しい市場や顧客に提供することで、事業の規模を拡大する戦略です。
例えば、店を増やしたり、新しいエリアに進出したり、新しいターゲット層を開拓したりすることが水平展開にあたります。

水平展開のメリット

規模の拡大、売上や利益を増やすことができる。
市場のシェアや知名度を高めることができる。
リスクを分散することができる。
新しいニーズや機会を発見することができる。

水平展開のデメリット

競合や規制などの障壁に直面する可能性が高い。
新しい市場や顧客に合わせて製品やサービスを改良する必要がある。
経営資源や人材を分散することになる。
既存の製品やサービスの品質や競争力が低下する恐れがある

垂直展開

既存の製品やサービスをより高品質や高付加価値にすることで、事業の深化を図る戦略です。
例えば、製品の機能やデザインを改良したり、サービスの内容やスピードを向上させたり、付随するサービスや商品を提供したりすることが垂直展開にあたります。

垂直展開のメリット

顧客満足度やロイヤリティを高めることができる。
差別化やブランド力を強化することができる。
価格や利益率を上げることができる。
自社の強みやコアコンピタンスを磨くことができる。

垂直展開のデメリット

開発や改良に多くのコストや時間がかかる。
既存の市場や顧客のニーズに合わない可能性がある。
新しい技術やイノベーションに対応できない恐れがある。
既存の製品やサービスに固執しすぎることになる。

 「このように水平展開でも垂直展開でもメリットとデメリットが存在する。我々のサービスはまだ市場に浸透しきれていないこと、次の店の責任者が育成しきれていないことを考えれば、慎重に考えなければいけないね。」大地は、今の現状と今後取りうる戦略を美咲に説明した。

「でも展開スピードが遅くなれば、なるほど競合店も力をつけてくるわ。」

「だからこそ、浸透を図りながら、新市場を切り取りに行くといった両方の施策が必要なんだよ。そこでだ、その問題を解決する方法がある。もちろん困難や障壁も多いけど・・・」

「ぜひ、きかせてほしいわ、困難ってことは、達成すれば成果が大きいということよね。」

 美咲は、大地の変化に感銘を受け、彼の復活した自信と情熱に引き込まれた。彼女は大地が自己の疑念を乗り越え、再び光を取り戻す様子を見て、彼に対する尊敬の念を一層深めた。

 大地と美咲はお互いを支え合いながら、新コンセプトを成功に導いた。彼らはそれぞれの自信を取り戻し、共に成長する道を歩んでいた。

 大地は自分自身の限界を超え、新しい自分を発見することができた。美咲との絆が彼にとっての再びの光となり、彼の人生に新たな輝きをもたらす。

人は失敗をしながら成長するものだが、二人も例に漏れず大きな成長を遂げたのだった。
次回、第十四話『 新たなる一歩 – 成長の証明 – 』
次のステップへ進む二人の成長からは目が離せない!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です