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経済成長率1.3%の意味とは?GDPと幸福度から考える”本当の豊かさ”の測り方

このようなニュースを目にしました。
政府は今年の経済成長率目標を1.3%と示した。しかし、国際通貨基金(IMF)や経済協力開発機構(OECD)などの国際機関はそれぞれ1.1%、0.9%と予想した。野村證券、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループなどの金融企業は0.8%の成長率を予測した。
数字を見ると「成長している」「していない」と一喜一憂してしまいがちですが、そもそも経済成長とは、何を基準に測られているものなのか、意外と知られていません。
今回は「経済成長率」という言葉の正体を、少し立ち止まって整理してみたいと思います。
皆さんは経済成長とは何を基準にして測定するのかをご存じですか?
目次
日本のGDPは約600兆円。そもそもGDPとは?
日本のGDP(国内総生産)は、現在およそ600兆円規模と言われています。
GDPとは、簡単に言えば
一定期間内に、国内で生み出されたモノやサービスの付加価値の合計
企業の売上高の合計ではなく、「生産によって新たに生まれた価値」を積み上げたもの、という点がポイントです。
このGDPが前年よりどれだけ増えたか、その増加率を「経済成長率」と呼んでいます。
GDPが伸びても実体経済が伴わない理由【名目と実質】
ニュースで語られる経済成長率には、実は2種類あります。
名目GDP成長率
物価の変動をそのまま含めたGDPです。物価が上がれば、実際の生活が楽になっていなくても数字は伸びます。
実質GDP成長率
物価変動(インフレ・デフレ)を差し引いたGDPです。「本当に生産量やサービスが増えたのか」を見る指標です。
最近よくあるのが、
GDPは伸びている
でも生活は苦しい
これは、名目では成長しているが、実質ではあまり成長していない、もしくは実感が追いついていないケースと言えます。
物価を測る指標「ビッグマック指数」
物価を国際比較する際、よく話題になるのがビッグマック指数です。
これは、
マクドナルドのビッグマックが各国でいくらか → 通貨の購買力を比較する
という非常にシンプルな考え方。
同じ商品を使うことで、
→通貨が割高か割安か
→生活コストの差
を直感的に把握できます。一見、合理的な方法に見えます。
本当に「同じもの」で物価は測れるのか?
ただし、ここには大きな疑問も残ります。
住宅の質
医療・教育制度
治安
食文化
サービスの丁寧さ
これらは国ごとに大きく異なり、完全に「同じもの」など、実はほとんど存在しません。
ビッグマックは同じでも、
家賃
医療費
教育費
老後の安心感
はまったく違う。
つまり、物価やGDPだけで、その国の「豊かさ」を測ることには限界がある
ということです。
幸福度指数は「お金」だけでは測れない
そこで近年、注目されているのが幸福度指数です。
幸福度指数では、以下のような要素も評価対象になります。
安全・安心(治安、災害対応)
環境(自然、空気、水)
持続可能性
社会保障
人とのつながり
将来への不安の少なさ
GDPが高くても、
常に競争に追われ
将来に強い不安を感じ
心の余裕がない
社会が、本当に「豊か」と言えるのか。
この問いに対し、お金以外の尺度で経済や社会を測ろうという流れが、世界的に広がっています。
経済成長率は「一つの物差し」に過ぎない
経済成長率は、確かに重要な指標です。しかし、それは社会のすべてを表す万能な数字ではありません。
GDPが伸びているか
物価はどうか
そして、暮らしの実感はどうか
これらをセットで見て初めて、「今の経済はどうなのか」を語ることができます。
数字のニュースに触れたとき、ぜひ一歩引いて、この成長は、私たちの生活にどうつながっているのか?そんな視点で考えてみてはいかがでしょうか。



