共創価値マーケティングとは!?全てのサービス業が目指すべき方向性!
目次
共創価値マーケティングとは何か?従来の販売方法との大きな違い
共創価値マーケティング(Co-creation Marketing)とは、企業と顧客が協力して製品やサービスの価値を共に創り出すマーケティング手法です。
このアプローチは、顧客が単なる受動的な消費者ではなく、積極的に価値創造に参加するパートナーとして位置付けられます。
情報伝達の技術の進化により、生産者と消費者の情報の非対称性が減少し、提供する側から一方的な情報発信では、物が売れづらくなりました。
共創価値マーケティングは従来の販売方法とは違い、顧客と共に価値を作り出していくという点で大きな転換点があります。
共創価値マーケティングの特徴は以下のようなものがあります。
顧客の積極的参加
従来の販売方法
企業が製品やサービスを設計し、生産し、マーケティング活動を通じて顧客に販売する。
顧客は最終的な製品を購入し、使用する受け手としての役割を果たす。
共創価値マーケティング
顧客が製品やサービスの開発プロセスに積極的に参加し、フィードバックを提供する。
企業は顧客の意見やアイデアを取り入れ、製品やサービスを共同で創り上げる。
双方向のコミュニケーション
従来の販売方法
一方向のコミュニケーションが主流。
企業が広告やプロモーションを通じて顧客に情報を発信し、顧客はそれを受け取る。
共創価値マーケティング
双方向のコミュニケーションが重視される。
企業と顧客が継続的に対話し、意見交換を行うことで、より良い製品やサービスの開発につなげる。
カスタマイズと個別化
従来の販売方法
大量生産・大量消費が基本。
標準化された製品やサービスを多くの顧客に提供する。
共創価値マーケティング
個別の顧客ニーズに応じたカスタマイズやパーソナライズが重視される。
顧客の具体的な要求に応じた特別な製品やサービスが提供される。
顧客体験の重視
従来の販売方法
製品そのものの品質や価格に重点を置く。
共創価値マーケティング
製品やサービスを通じた顧客体験全体に重点を置く。
顧客が製品やサービスを利用する過程での体験や感情が価値として評価される。
イノベーションの促進
従来の販売方法
企業内部の研究開発部門やマーケティング部門が中心となり、イノベーションを推進する。
共創価値マーケティング
顧客との共創を通じて、新しいアイデアやイノベーションが生まれる。
顧客の視点や創造力がイノベーションの源泉となる。
価値共創マーケティングの4つのメリット
①:顧客がより長く特定のサービスやブランドを使い続けてくれるLTVの向上
②:顧客が積極的にサービスやブランド価値向上に関与してくれる
③:顧客同士で価値向上の方法を編み出し、伝播し、口コミを発生してくれる
④:見込み客が共感し、ロイヤリティが向上していく
これは、以前に紹介したコミュニティドミナントロジックと同じことが言えます。
顧客が商品やサービスに積極的に関与すると、愛着がわき、そのブランドの購買行動が定着します。
現在では、様々な推し活が流行していますが、これも類似した原理と言えます。
流行に乗って、その時だけ購買していただける消費者よりも、ファンやコミュニティを形成していただける顧客を作り出す、しかけ・仕組みづくりが大切なのです。
価値共創で重要なポイントは、購買前、購買後の関係性作り
価値共創マーケティングにおいて、購買前と購買後の関係性作りは非常に重要です。
これにより、顧客のライフサイクル全体を通じて価値を共に創造し、強固な関係を築くことができます。
購買前の関係性作り:顧客との初期接触「X、オキニトークやGチャットの活用」
ポイント
顧客との初期接触は、ブランドとの関係性を築く第一歩です。
ウェブサイト、SNS、広告などを通じて顧客にアプローチします。
実践方法
魅力的なコンテンツやプロモーションを提供し、顧客の興味を引きます。
また、顧客の疑問や質問に迅速に対応することで、信頼感を高めます。
共創プロセスへの参加
ポイント
製品やサービスのアイデア段階から顧客を参加させることで、彼らのニーズや希望を直接反映します。
実践方法
アイデア募集キャンペーンやユーザーインタビュー、オンラインフォーラムを活用して、顧客のフィードバックを収集します。
カスタマイズオプションの提供「○○さんだけ、○○さん専用のサービス」
ポイント
顧客の個別のニーズに対応するカスタマイズオプションを提供することで、顧客の関与を高めます。
実践方法
製品のデザインや仕様をカスタマイズできるツールを提供し、顧客が自分だけの特別な製品を作成できるようにします。
購買後の関係性作り:アフターサービスとサポート「お礼日記や口コミ」
ポイント
購買後のアフターサービスやサポートは、顧客満足度を維持し、リピーターを育成するために重要です。
実践方法
迅速かつ親切なカスタマーサポートを提供し、顧客の問題や質問に対応します。
また、定期的なフォローアップやアンケートを通じて、顧客の満足度を確認します。
購買前と購買後の関係性作りは、価値共創マーケティングにおいて欠かせない要素です。
これにより、顧客との長期的な関係を築き、彼らのライフサイクル全体を通じて継続的な価値を創造することができます。
企業は、顧客との積極的なコミュニケーションとフィードバックの収集を通じて、より良い製品やサービスを提供し、顧客満足度とロイヤルティを高めることが求められます。
ただ物を売るだけではリピートは作れない、顧客は購買前行動もエンタテイメントの一つ
現代の消費者は、単に物を買うだけではなく、購買前の行動も一つのエンタテイメントとして捉える傾向があります。
これを理解し、購買前の体験を豊かにすることは、リピーターを作り出すために非常に重要です。
以下に、購買前行動をエンタテイメント化し、顧客の関心を引きつけ、リピーターを生み出すための具体的な方法をいくつか紹介します。
双方向性:インタラクティブなコンテンツの提供
インタラクティブなコンテンツは、顧客が製品やサービスについて楽しみながら学べる方法です。
コンセプト動画、体験漫画などのコンテンツです。
物語・背景:ストーリーテリング、ナラティブアプローチ
ブランドの歴史や製品の背景にあるストーリーを共有することで、顧客はより深い感情的なつながりを感じます。
ストーリーテリングは、製品やサービスの価値を伝える効果的な手段です。
ブランドのウェブサイトやSNSで、製品開発の舞台裏や、製品がどのように顧客の生活を向上させるかについてのストーリーを共有します
また、インフルエンサーやブランドアンバサダーを活用して、個々のストーリーを広めることも効果的です。
ゲーム性:ゲーミフィケーション
購買前のプロセスにゲーム要素を取り入れることで、顧客のエンゲージメントを高めます。
ポイントやリワード、コンテストなどを通じて顧客を楽しませます。
例えば、顧客がサイト内で特定のアクションを完了するたびにポイントを獲得できるリワードプログラムを導入します。
さらに、定期的なオンラインコンテストやキャンペーンを開催し、参加者に特典や景品を提供します。
個人カスタマイズ:パーソナライゼーション
顧客一人ひとりの好みや行動に基づいてパーソナライズされた体験を提供することで、購買前のプロセスをより魅力的にします。
AIや事前情報を活用して、顧客の過去の購買履歴や行動データを分析し、それに基づいて製品の推薦やカスタマイズされたサービスを提案します。
リピートは、サービス中の行動だけでは獲得できません。
購買前行動へのワクワク感、購買後のアフタフォローやコミュニティ形成などでリピートは生まれ続けるのです。
顧客の一連の行動が物語になるように設計することができれば、CX・UXだけなく、LX(ライフスタイルエクスペリエンス)が向上できます。