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2025.05.13

万博はそもそも赤字!?その理由と、誰がそのツケを払うのか【わかりやすく解説】

はじめに|万博は黒字を目指すイベントではない

万博ってすごいイベントなんだから、黒字になるんでしょ?

そんなイメージを持つ方も多いかもしれません。
でも実は──万博は赤字を前提とした国家プロジェクトです。

収支だけを見れば赤字でも、「未来への投資」「都市開発」「技術実証」「国際発信」など、広い意味での“回収”を目指すイベントなのです。

万博の収支構造|どこで赤字が出るのか

万博の支出は、大きく分けて以下の2つです。

建設費(会場整備等):約2,350億円

運営費(スタッフ、警備、通信など):約800億円

→ 合計:約3,150億円

一方で収入の柱は?

入場料収入(6,000円 × 来場者数 × 割引調整後

スポンサー収入や関連事業収益

たとえ目標の2,820万人が来場しても、入場料+関連収入は1,400億円程度が限界と言われています。

つまり、約1,700億円の赤字は最初から想定済みなのです。

来場者数が減ると何が起きる?

仮に来場者数が目標の2,820万人から、1,800万人に減少したとしましょう。

入場料収入の減少:約64億円

物販・飲食・広告など関連収入の減少:約217億円

合わせて、約280億円の追加赤字が出ると見られます。

実際の赤字額はどれくらい?

来場者数が減ったシナリオでは、赤字額は以下のように拡大します。

来場者数 赤字額(概算)

2,820万人(目標) 約1,750億円

1,800万人(減少時) 約2,030億円

赤字は誰が負担する?分担の内訳

すでに決定している建設費の負担構造は以下の通りです。

国:1/3約783億円

大阪府・大阪市:1/3合わせて約783億円

経済界:1/3約783億円

赤字がさらに拡大した場合、追加の2,000億円赤字は以下のように分担されると見られます(実質的想定)

負担主体 想定負担割合 想定額
約50% 約1,000億円
大阪府+市 約25%(折半) 約500億円
経済界 約25% 約500億円(追加調整中)

企業の負担はどう処理される?税務的な視点「万博は節税のお祭り!?」

『こちら葛飾区亀有公園前派出所』第94巻「開催決定!?未来博の巻」より

企業が万博に支出するお金は、「寄付」か「広告宣伝費」のどちらかで処理されます。

処理区分 特徴・税務処理
広告宣伝費
(例:パビリオン出展、スポンサー契約)
全額損金算入が可能。宣伝活動としての位置付け。
寄付金
(例:純粋な支援、協賛など)
法人税法上の制限があり、損金算入には上限あり。

※ 実務上は「パビリオン出展=広告費」「一般支援=寄付」として処理するケースが多く見られます。

まとめ|数字だけでなく“何を残すか”が大切

大阪・関西万博は、数字だけを見れば確かに赤字です。
どれだけ来場があっても黒字にはなりません。

収益性のためのイベントではないからです。

ですが本質は、未来のために何を残すか。

インフラ整備
観光ブランド向上
技術の実証
国際関係の構築

こうした“見えないリターン”を得ることができれば、たとえ赤字でも“成功”と評価されるのです。