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スタッフのための金融リテラシー講座【第6回】住宅ローン×カーローンで利息を最小化

住宅ローン返済初期の30代・40代は「カーローン×繰り上げ返済」で利払いを最小化せよ

「お金を借りたほうが得になる」――そんな話を聞いたら、正直「うそでしょ?」と思いますよね。

ところが、住宅ローンを返済し始めた30代・40代にとっては、この常識破りの戦略が現実に“効く”のです。

理由はシンプル。住宅ローンは返済初期ほど利息の割合が大きく、繰り上げ返済による削減効果が最も大きい時期。一方で、車は短期・低金利のローンが使えるので、現金一括で買うよりローンにしたほうが家計に余力を残せます。その余力を住宅ローンの繰り上げ返済に回せば、トータルの利払いを最小化できるというわけです。

今回の講座では、なぜ「カーローン×繰り上げ返済」という組み合わせが合理的なのかを、分かりやすく解説していきます。

結論(要約)

  • 住宅ローン返済の最初の数年は利息比率が高い=この時期の繰り上げ返済(期間短縮型)が最も効く。
  • 40代は生活イベントが重なりまとまった現金を手元に置きたい。そこで低金利のカーローンを活用し、浮いた現金を住宅ローンの繰り上げ返済へ。
  • ねらいは「車は短期・低率で分割」「家は長期の利息カーブを前倒しで削る」という“時間軸の最適化”
  • 40代×年収400–600万円層でクルマ購入時のローン利用が多いという最新傾向は、まさにこの設計と親和性が高い。

01:なぜ効く?(仕組み)

住宅ローンは超長期
返済序盤は利息の割合が大きく、序盤に元本をカットすることで生涯利息の削減幅が最大になります。

カーローンは短期・低率にできる
ディーラー系の実質年率はキャンペーンで1〜3%台も珍しくありません。短期で組めば総利息は限定的です。

手元流動性を確保
現金一括で車を購入せず、カーローンで現金を温存。その余力を住宅ローンの繰り上げ返済に回すことで、住宅ローンの長期利息を大きく削りつつ、教育費・修繕費・突発支出にも備えられます。

02:実践ステップ(5手順)

Step 1|全体設計

家計のキャッシュフロー(毎月/年間)、生活防衛資金、今後3年の大型支出を整理。
「当面の生活安全マージン」を先に確保(目安:生活費6〜12か月分)。

Step 2|カーローン設計

できるだけ短期(3〜5年)×低金利で。頭金は手元資金が薄くなるほど無理に入れない。
月額は「手取りの5〜8%以内」を上限目安に。保険・税金・車検・タイヤ等の維持費も年換算で上乗せ管理。
(相場観として)ローン借入額を年収の4〜5割以下に収めると無理が出にくい。

Step 3|住宅ローンの“効く”繰り上げ返済

期間短縮型を基本に。返済初期ほど効果大。ねん出した現金はボーナス月直後など区切りでまとまって入れると効果実感が大きい。

Step 4|金利局面の確認

変動金利上昇リスクが意識される局面では、固定・ミックス化の選択肢も検討。カーローンは固定金利が多く、住宅側の金利リスクをコントロールしやすい。

Step 5|年1回の棚卸し

車の残債・家の残高・繰上げ実績・積立投資の進捗を年1回レビュー。金利や収入変動に応じて繰り上げ/流動性/投資の配分を微調整。

かんたん概算イメージ

例:車300万円を年率2.5%・5年で組み、現金300万円を住宅ローン繰り上げ(期間短縮型)へ。
車側の総利息は数十万円規模に収まる一方、住宅側は序盤カット効果で数十万〜百数十万円規模で圧縮可能。

住宅ローン借入例:4000万円、35年払い、変動金利0.625%、2年ごとに0.25%上昇予測の場合
借入3年後に300万円繰り上げ返済→利息削減効果 約95万3525円(条件により変動)。

ポイント:短期・低率・総額小の車利息を支払いながら、長期・総額大の住宅利息を前倒しで削るという発想。
40代はライフイベント重なり、「月々の支払いの安定」と「手元現金の確保」を重視する傾向があり、この設計と合理性が合致。

03:この戦略が“向く”条件/“向かない”条件

向く条件

  • 住宅ローン返済1〜10年目(特に序盤)
  • 銀行等で低金利が取れる&短期で組める
  • 教育費ピークや住宅修繕が近く、現金クッションを厚くしたい

向かない条件

  • 自動車ローンの金利が高い(例:5〜7%台以上)/やむなく長期化
  • 住宅ローンの金利が極端に低く、かつ将来上昇リスクが低い場合
    →変動金利は今後5年間は上がることはあっても下がることはない
  • 生活防衛資金が足りず、繰上げで流動性が枯渇する場合

実務ステップ(チェックリスト)

  • 補助金・金利・年数を比較(設備は短期×低率が基本)
  • 生活防衛資金(6〜12か月)は死守
  • 住宅は期間短縮型でシミュレーション(銀行の電卓で可)
    おすすめサイトはこちら
  • 設備の年間便益−年間コストを算出
  • 年1回、家・設備・投資の配分を見直し

まとめ

40代は「家×車×教育×老後準備」が重なる資金ピーク帯。
だからこそ、カーローンで月々のキャッシュを整えつつ、住宅ローンの序盤を短期決戦で削る。この“時間軸の最適化”が生涯利払いの最小化に効きます。
調査が示す「40代はローンで車を買う」という行動様式は、単なる浪費ではなく合理的な資金配置にもなり得ます。

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