消費行動における他者の影響|理論とビジネス活用のヒント
消費行動は、個人の好みや価値観に基づく選択のように見えますが、実際には他者の影響を大きく受けています。
今回は、消費行動に関する他の影響を説明する3つの代表的な理論「スノッブ効果」「バンドワゴン効果」「ヴェブレン効果」を紹介し、それぞれの特徴やビジネスにおける活用方法について考察します。
目次
他人と違う行動をとりたがる心理「スノッブ効果」
スノッブ効果の定義
「スノッブ効果(Snob Effect)」とは、他の人が買っている商品やサービスを選ばず、他人と異なる商品を選びたくなる心理効果のことです。
限定商品に価値を感じ、そこに強い魅力を感じます。
「人と同じではなかなか」「自分だけの特別なものが欲しい」といった欲求が、消費行動に大きな影響を与えます。
スノッブ効果の具体例
限定品の争奪戦
・数量限定のスニーカーや高級ブランドの限定コレクション
・ハイブランドの期間限定コレクション
ビジネスへの応用
期間限定商品や数量限定商品を活用する
限定販売の告知を強調する>広告やSNSで「期間限定や数量限定を発信する」
他人の行動に追随したくなる心理「バンドワゴン効果」
バンドワゴン効果の定義
「バンドワゴン効果(bandwagon effect)」とは、特に流行や消費行他の人と同じ行動をとることで安心感や一体感を得るために、他の人が購入したものに関心をよせるというもの。
バンドワゴン効果の具体例
流行のファッション
トレンドのカラーやアイテムなど、1年おきに流行は変化します
人気の飲食チェーンの行列
飲食の行列があれば、多くの人が支持しているからさぞかし美味しいのだろうという推測でさらに行列ができます
ビジネスへの応用
「売れている」情報を積極的に発信する
広告で「〇〇万個売れました!」や「大人気!」などの表現を使う、バンドワゴン効果が働き、消費者の購買意欲が高まります。
ランキング形式の活用
ECサイトでは「おしゃれランキング」や「今週の人気商品」を掲載することで、他の消費者が選ぶ商品を推薦する仕組みが導入されています。
高いものに価値を感じる心理「ヴェブレン効果」
ヴェブレン効果の定義
「ヴェブレン効果(Veblen effect)」とは、商品価格が高いほど「価値」商品の価格が高いほど「価値が高い」と感じ、購入が進む心理効果価格が上がると通常は価格が高いほど購入したいと感じる特殊な現象です。
ヴェブレン効果の具体例
高級時計や高級車
ロッレックスやベントレーなど。
高級レストランのコース料理
同じ食材でも高級な価格だとかちを感じる。
ビジネスへの応用
高価格戦略の採用
商品をそのまま高価格で販売し値引きをしない。
希少性を訴える
限定販売やステータスの象徴やブランド価値を重視する。
商品やサービスを選択することは知らず知らずに他者の影響をうけている
上記のような現象は商品やサービスを選択する上で、顧客の趣味や嗜好を理解しなければならないという企業のマーケティングの基本からずれています。
消費者の嗜好+その消費者がどのような集団から影響をうけているか?
または影響を受けやすいかということを理解しなければ、プロモーションの効果は発揮しにくいのです。
欲しいもの=購買行動ではありません。
金銭的な制約、時間的な制約、購買の意思決定のアンコントローラブルなど欲求がそのまま結びつくことはないのです。
その点、単身世帯の推し活マーケットでは、プロモーションが容易です。
位置する集団が明確で欲求がそのまま購買行動にむずびつきやすいからです。
つまり、他者からの影響を極力排除できるまたは、影響化を低下する環境づくりが必要なわけです。
ファンマーケティングや共創価値マーケティング、アンバサダー制度などが分かりやすい事例となります。
購買行動時の他者からの影響を推定できるマーケティング手法も今後開発されていくことでしょう。