オンとオフの会話のすすめ(雑談力向上のしかけ)


仕事を進めるために、業務上の「ONの会話」と日常の「OFFの会話」のバランスが重要です。
ONの会話は業務指示や進捗報告など明確な目的を持った会話、OFFの会話は業務に直接関係のない雑談や非公式な情報交換を指します。
チームのパフォーマンス向上のためには、この両方が必要です。
目次
オフレコの話が漏れて問題になる理由


職場では公式の会議や報告書には載せない「オフレコの話」が重要な役割を果たしています。
プロジェクトの方向性や上層部の意図に関する非公式情報は、オフの場で共有されることが多いものです。
個人的な見解を出し合うことで互いに刺激し合える場として、オフの会話は貴重です。
特に極端な意見や試験的なアイデアは、会議よりもオフの場が適しています。
オフの話が問題になるのは、その機能や扱いを理解していないメンバーが伝言ゲームをしてしまうからです。
オフレコ情報の扱いにおける注意点
・共有すべき内容かどうかを常に意識する
・信頼関係があっても「本当に言っていい話か」を考える
・守秘義務のある内容は絶対に発言しない
・情報の理解度を考慮して相手を選ぶ
ONの話だけでは連携不足に陥る


ONの会話だけのコミュニケーションでは職務は明確になりますが、他者の業務への関心が減少し、チーム全体の連携が弱まります。
具体例
ケース1:「明日までにプレゼン資料を提出してほしい」
→ 業務指示は明確だが、過去の類似業務やデータの所在などの付帯情報がなければ、非効率な作業や二重タスクが発生する
ケース2:「他のメンバーがプロジェクトを担当→自分は関係ない」
→ 指示を受けていないメンバーが情報をシャットアウトすると、問題発生時に対応できない
オフの会話で他メンバーの進捗や業務内容を把握しておくことで、連携不足を防ぎ、チーム全体の効率が向上します。
喫煙所の距離感が仕事をスムーズにした理由


かつての職場の「喫煙所」は、部署や役職を超えた自然な交流の場として機能していました。
喫煙所でのコミュニケーションが効果的だった理由
・静かな空間で相手に集中できる
・共通の動作による共感性(ミラーリング効果)
・リラックス状態で本音が出やすい
・非公式空間がアイデア創出を促進
・習慣化されたコミュニケーションが自然なリフレクションにつながる
現代の職場ではZ世代が喫煙所や飲み会を避ける傾向があるため、代替となる雑談の場を意図的に作る必要があります。
・雑談専用のチャットチャンネル
・カフェや自販機スペースの工夫
・カジュアルな座談会
・オンライン/オフラインのレクリエーション
効果的な1on1で本音を引き出す方法


多くの企業が導入している1on1ミーティングは、形式化すると「何を話しても不安」「本音を言いづらい」という状況に陥ります。
上司の「最近どうですか?」に対して「特に問題ありません」で終わるのは典型的な例です。
本音を引き出すための工夫
・対立構造を生まない対話環境の構築
・共通目的の明確化
・個々に合わせたアドバイジングやコーチング
・ミーティングの目的の共有
・心理的安全性の確保
ONとOFFの発言の場をバランスよく設けることで、職場のコミュニケーションは大きく改善し、この雑談力は社内関係だけでなく、取引先との商談にも効果を発揮します。
ぜひ社内で実践してみてくださいね。