ローカルハンバーグチェーン、地方の雄たちの熾烈な争い|日本ハンバーグ戦国史
ハンバーグといえば、ファミリーレストランの定番メニュー。
しかし、日本各地には地域に根ざした個性派ハンバーグチェーンが存在し、それぞれが独自の戦略で地元の胃袋をつかんでいます。
本記事では、その中でも特に注目すべき4つのチェーンを取り上げ、日本の「ハンバーグ戦国史」を紐解いてみたいと思います。
目次
もはや静岡の観光地ひとつ「げんこつハンバーグの炭焼きレストランさわやか」
静岡県を代表するハンバーグチェーン「さわやか」。
その名を知らぬ人は少ないでしょう。
2024年12月時点で34店舗を展開し、静岡県内で圧倒的な存在感を誇ります。
「ドミナント戦略」を採用しており、静岡県外には一切進出しない独特の経営方針が特徴です。
この地域密着型の戦略は、戦国時代の今川氏の勢力範囲を彷彿とさせます。
名物の「げんこつハンバーグ」は、表面を焼き上げた後、お客さんの目の前でカットされ、ジュワっとあふれる肉汁が食欲をそそります。
そのライブ感と、国産牛を使用したジューシーな味わいがリピーターを増やし続けています。
メディアでの露出やSNSでの投稿も多く、県外からの多くの観光客を呼び寄せています。
これほどの数を運営していても、週末の待ち時間は260分120組待ちと4時間越え、ユニバやディズニーのアトラクションと同じぐらい待ちます。
公式HPで待ち時間を一覧で確認できますので、すいている店舗へ移動するといいですね。
一般的にチェーン展開すると味の均一性にばらつきが出たりすることありますが、好みの問題もありますので、さわやかの中でもお気に入りの1店舗を見つけられるといいですね。
70年の歴史を持つ大阪下町生まれの老舗ハンバーグ「昭和町ボストン」
大阪の下町・昭和町から始まった「ボストン」。
その創業はなんと1952年。
音楽喫茶としてスタートし、その後洋食屋を経て、ハンバーグ専門店へと進化しました。
70年以上の歴史を誇る、まさに老舗中の老舗です。
現在は大阪市内を中心に9店舗を展開しており、特に天王寺エリアから北上する形で新たな店舗を増やしています。
天王寺以南で店舗が展開されてきましたが、2024年9月には新業態としてテイクアウト専門店を出店。
ついに待望のキタエリアへ進出し、梅田界隈のハンバーグファンの間で話題になっています。
その味わいは、ボリューミーかつ、ジューシーで肉汁がたっぷりの牛肉100%!
平日のライチタイムはどの店も老若男女問わず、幅広い年代層の支持を受けています。
佐賀「ぎゅう丸」と神奈川「ハングリータイガー」
地方の雄として独自路線を貫くのが、佐賀県の「ぎゅう丸」と神奈川県の「ハングリータイガー」。
「ぎゅう丸」は、地元産の黒毛和牛を使用した贅沢なハンバーグで知られています。
パイ包みスープの元祖としても有名です。
ハンバーグに箸を入れると、溢れんばかりの肉汁が評判で、味わいも絶品。
しかもランチセットにはサラダとライスの食べ放題がついており、コストパフォーマンスも抜群です。
店舗数は2024年12月時点で、直営店8店舗、社内独立店(暖簾分け)が1店舗、さらにフランチャイズ店が2店舗となっており、佐賀・長崎・福岡、そして北九州を中心に展開しています。
地元密着型で地域住民から愛されていますが一部商品は、ネットでも購入可能です。
毎年開催されるかは不明ですが、11月29日(「いい肉の日」)には、日頃の感謝を込めた大還元祭が行われることがあります。
一方、「ハングリータイガー」は1969年神奈川県保土ヶ谷にて創業し、店舗数は2024年12月時点で神奈川県内で12店舗を運営。
モータリゼーションが進む中、郊外型のロードサイドレストランとしてスタート。
1970年のすかいらーくよりも早い時期で、時代の先頭を走っていました。
特製の鉄板で提供される熱々のハンバーグが特徴で、ステーキとハンバーグの融合とハンバーグステーキのスタイルは、ハングリータイガーが発祥です。
牛肉100%で混じりけなし、こだわりの炭火焼きでおいしい肉汁を閉じ込めます。
オリジナルのソースも絶品で、これだけでごはん3杯は、いけてしまいます。
そして、ハンバーガーもメニューにあるのは、うれしいですね♩
神奈川の人々に根強い人気を誇っています。
こちらもお取り寄せができますので、横浜観光の想い出を自宅でも味わうことができます。
関西の“さわやか”と評される和歌山の名店「炭焼き俵バーグ 寛屋(KANYA)」
最後に取り上げるのは和歌山県の「炭焼き俵バーグ 寛屋」。
わずか4店舗という少数精鋭ながら、その存在感は抜群です。
特徴は、黒毛和牛のこだわり抜いた肉質とレアハンバーグを好みで焼くテーブル調理法。
店員さんが目の前で調理してくれます。
炭焼き俵バーグは、関西のさわやかというポジションです。
柚子胡椒とポン酢で味わう独特のソースであっさりと食せ、サービスセットはご飯のお替り無料です。
まとめ|ハンバーグチェーン戦国時代
これらのチェーンが共通しているのは、「地域密着」と「独自性」です。
それぞれが地元の特性を活かしながら、オリジナルの商品やサービスで他との差別化を図っています。
戦国時代の武将たちがそれぞれの領地で覇を争ったように、日本のハンバーグチェーンも地域ごとに激しい競争を繰り広げています。
どこのハンバーグチェーンが勢力拡大していくのか!?今後も目が離せません!!
次回は、これらのチェーンの裏側に迫り、成功の秘訣をさらに深掘りしていきたいと思います。
ハンバーグファンの皆さん、どうぞお楽しみに!