職務拡充と職務拡大の違いについて【日本語って紛らわしいね】
目次
職務拡大と職務拡充の違いについて
「職務拡大」と「職務拡充」という言葉は似ていますが、意味が異なります。
職務拡大
現在の職務に関連する範囲を横に広げ、追加のタスクや役割を与えることです。
たとえば、営業担当が販売以外に顧客管理やクレーム対応などの業務も任されるようになるのが職務拡大の例です。
これは、従業員に幅広い経験を積ませる目的があります。
職務拡充
現在の職務の中で、より深く専門的な内容を充実させ、責任や裁量の範囲を増やすことです。
たとえば、技術者が新たな技術に特化して専門性を高めるようなケースです。
職務を深く掘り下げ、専門性を高めるための施策です。
このように、職務拡大はタスクの量を増やすことに近く、職務拡充はその質を向上させる方向に向かいます。
どちらが、従業員のモチベーションを高めるの?
どちらが従業員のモチベーションを高めるかは、個々の従業員のキャリア志向や性格、そして企業の目的によって異なります。
職務拡大は、業務の幅を広げることで多様なスキルを身につけたい人や、新しいことに挑戦したい人にとっては、モチベーション向上につながります。
また、業務のマンネリ化を防ぐ効果も期待できるため、変化を好む人には適しています。
一方で、職務拡充は、特定のスキルや知識を深め、専門性を高めたい人にとっては非常に魅力的です。
責任感や裁量が増えるため、達成感や成長感を得やすく、キャリアアップを目指す人に向いています。
結果的に、どちらが良いかは従業員個々のニーズや企業の成長戦略に合致するかどうかがポイントです。
モチベーションを高めるためには、社員が自身の職務内容に対して理解し、やりがいや成長を感じられるような環境づくりが必要です。
専門性を高めるためには!?
専門性を高めるためには、職務拡充の施策が適しています。
特定の分野に集中してスキルを磨き、知識や経験を深めることで、専門的なキャリアパスを進むことが可能です。
例えば、エンジニアが特定の技術分野に集中することで、その技術におけるエキスパートとしての地位を確立することができます。
また、定期的なトレーニングや、資格取得を支援する企業のサポートも重要です。
研修や資格取得支援
社員が自分の専門分野でのスキルアップを目指すために、定期的な研修や資格取得の支援を提供することで、社員は専門性を高められます。これは企業にとっても、専門的な知識を持つ人材を内部に育成するメリットがあります。
自己啓発のサポート
自己啓発や個々の成長を促進するための機会を提供することも、専門性を高める一環です。自主的に勉強したり、新たなスキルを学ぶための時間やリソースを会社が提供することで、社員の成長を後押しできます。
企業は、社員が専門的なスキルを向上させるための環境を整え、モチベーションを高める機会を提供することが重要です。
職務明細書の重要性について
職務拡充や職務拡大を成功させるためには、職務明細書が非常に重要です。
職務明細書は、従業員の職務内容、責任範囲、期待される成果を明確に定義した文書です。
これにより、従業員は自分が何を期待され、どのようなスキルを求められているのかを把握しやすくなります。
職務明細書を作成し、常に更新することで以下のメリットが得られます。
期待の明確化
具体的な職務内容や目標を明示することで、従業員が自分の役割を理解しやすくなり、やるべきことが明確になります。
これにより、従業員は自分の成長目標や達成すべきことに集中しやすくなります。
キャリアパスの提示
職務明細書には、キャリアパスや今後求められるスキルも含まれるべきです。
これにより、従業員は自身の成長に必要なステップを理解しやすくなり、モチベーションが向上します。
公平な評価の基準
職務明細書がしっかり整備されていると、業績評価が客観的かつ公正に行われやすくなります。
評価基準が明確であるため、従業員は自分の仕事がどう評価されるのかを理解し、適切に目標設定を行えます。
職務明細書の作成は、単に仕事の説明を記載するだけでなく、従業員の成長やモチベーションを高めるための重要なツールとなります。
まとめ
職務拡大と職務拡充の違いを理解し、それぞれのメリットを従業員に適用することは、企業の成長と従業員のモチベーション向上に繋がります。
職務拡大は幅広いスキルの習得を促し、職務拡充は専門性を高める機会を提供します。
また、職務明細書を整備することで、従業員の役割や期待が明確になり、業績評価も公平になります。
どちらのアプローチが適しているかは、個々の従業員のキャリア志向や、企業の成長戦略によって異なりますが、いずれにしても、明確な目標設定と継続的なサポートが重要です。
企業は、従業員が自分の成長を感じられる環境を提供し、さらなるやりがいや成長を引き出すための体制を整えるべきでしょう。
グローアップグループでは、役職ごとの職務明細書を用意しており、毎年、見直しがされています。
時代の変化に対応し、変化しつづけることができる組織を目指しています。