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2024.02.19

風俗業から起こすイノベーション、日本的経営戦略の打破へ

日本的経営企業(組織)の新たな生きる道へ

バブル期以降、日本経済は〝失われた30年〟と比喩されることがあり、従来の日本的経営は機能不全に陥り、日本ではGAFAMやテスラのようなイノベーションを起こす企業は生まれないとさえ言われています。

その理由として、以下の5つの問題が挙げられます。

リスク回避文化
日本のビジネス文化は、安定性やリスク回避を重視する傾向があります。
イノベーションには不確実性や失敗の可能性が伴うため、リスクを恐れずに挑戦する文化が不足しているとされています。

大企業主導の経済構造
日本の経済は大企業主導の傾向があり、大企業はしばしば安定性や既存のビジネスモデルに固執しやすいとされています。
これが新興企業やスタートアップの成長を阻害する可能性があります。

垂直統合型の産業構造
日本の一部の産業は垂直統合型で、大手企業が多くの過程を一貫して制御しています。
この体制がイノベーションの柔軟性を制限する可能性があります。

教育体制と雇用慣習
日本の教育体制や雇用慣習は、従順で安定性を求める傾向があり、個々の発想や独自のアイディアを追求する環境を構築しにくいとされています。

資金調達の難しさ
日本では、ベンチャーキャピタルからの資金調達がアメリカなどに比べて難しいとされています。
これがイノベーションを推進するスタートアップ企業の成長を妨げる一因となる可能性があります。

風俗業こそイノベーションの下地がそろっている

これらを風俗業界に当てはめて考えていきます。

リスク回避文化

高度成長期に成功を体験し、バブル期に機能不全に陥った企業は、拡大的路線経営よりも、管理面の強化に重きを置きます。

相対的に外資やITのスタートアップ企業の競争力を失います。
テクノロジーの変化をチャンスと捉えきることができなかったことが要因と考えられます。

風俗業においては、常に拡大路線です。
参入障壁は比較的に低い業種ですので、規模を大きくしなければ競争に負けてしまう可能性が大きくなります。

必然的に、リスクテイクする習慣が業界全体に身についています。

新規店舗出店や新ブランド開発は、プロジェクトの連続です。
ビルド&スクラップの多さから経験が多くなります。

大企業主導の経済構造

モノづくり文化の下請け構造や護送船団方式などで、日本企業は突飛なアイディアやスタートアップが生まれにくいと考えられています。

風俗業界では、小資本が多く参入してきますが、大資本は参入してきません。
そして、成功すれば20~50億円規模の売上に10年で到達します。

全国、津々浦々展開しているグループは少なく、エリアごとにすみ分けが行われています。
これは、新たなグループが全国展開する余地がまだまだあるということです。

垂直統合型の産業構造

風俗業界においては、下請け構造はありません。
一部FC展開を進めているグループはこれに当てはまるかもしれません。

教育体制と雇用慣習

日本企業の教育では、組織へのロイヤリティや業界習慣を覚えることなど専門性を求められることが多いです。

風俗業でも同じことが言えますが、中途入社が多い業界ですので、ロイヤリティの形成は高くありません。
逆に柔軟性は高く、効果がある取組については、柔軟に受け入れる習慣があります。

資金調達の難しさ

風俗業においては、公的機関や銀行からの資金用達はできません。
しかしながら、スケールする速度、リターンの大きさから、一定数のエンジェル(投資家)は存在します。

スケールする(大きくなる)速度はスタートアップのベンチャーと同等!

風俗業では新規店舗出店に成功すると、1年で2~3億円の売上ができ、1000万~3000万円程度の利益が確保できます。
振り出しの資金は1000万円~1500万円程度です。

成功する確率は、地域、経済状況、経営者のスキルなど多くの要因に依存しますが、20~50%程度という感覚です。

スタートアップ企業も統計的に3年継続できる確率は50%となっていますので、風俗業の新規出店とさほど変わりありません。

1店舗で2~3億の売上ですので、毎年1店舗新規出店ができれば、10年で30億程度規模となります。

このように企業として大きくなる可能性は、ベンチャー企業とさほど違いはありません。

但し、これ以上の規模は、人的資源の管理が一段と難しくなります。

スタートアップ企業では一定の規模(300人)に達すると、それ以上の成長が難しくなるという考え方です。

組織の複雑化
組織の公式化により、管理体系が強化され、役割、規則、プロセスなどが原則化されます。
逆に情報の伝達が非効率となり、意思決定やコミュニケーションに障害が生まれたり、急な変化に対応できない人材が生まれます。

風俗業界でも〝社員100人限界説〟があり、一つの壁となっています。

風俗業がイノベーションできる可能性まとめ!

風俗業がイノベーションの可能性があることをまとめますと以下になります。

:挑戦する風土がある。
:柔軟性がある、競争が激しい。
:テクノロジーの変化に対応しようとする人材が多い。
:資金面/集積性の確保が相対的に容易である。
:人が集まる業種、多様性があり、経営活動を通じて、検証しやすい。

経営資源で必要なものは「」「」「」「情報」です。

21世紀はデータが非常に重要な資源となります。
人と人がサービスする風俗業はマーケティングデータが比較的に容易に収集ができます。

従来の日本的な経営の習慣に縛られていない風俗業界は、人材面、資金面、業界の慣習、データ活用など従来の日本企業が持っていないものをたくさん持っています。

また、風俗業は〝感情労働〟ともいわれ、顧客中心のアプローチで、長期的な顧客関係を構築することを目指しています。

単なる性的なサービス提供から顧客体験全体をサポートするライフスタイルの向上などの価値提供への転換を図り、市場の変化に適応しています。

このように日本的な雇用慣習、商習慣、安定志向などの捕らわれない風俗業界は、新しいイノベーションを生む可能を抱えているのです。