自らの行動パターンをシステム思考で考える【氷山モデル】
目次
ものごとの全体像を捉えるフレームワーク
氷山モデルとは、システムの全体像を氷山にたとえ、私たちが魅惑されがちな「できごと」は海面上につきだしている氷山の一角に過ぎず、海面下の目に見えにくいところに「パターン」「構造」「意識・無意識の前提(メンタル・モデル」があるとするシステム思考のフレームワークです。
Change-Agent
物事の問題に直面した時、目の前の出来事に捕らわれ、表面上の問題だけ解決を図ることはないでしょうか?
物事の表面に現れていない部分、氷山の全体像をみるにはいったい、どのようにすればいいのか、例を使って考えてみましょう!
できごとのレベルで解決策を考えても、事後的に「反応」しているだけの対処療法
・売上がまた落ちた。
・女性の退店が止まらない。
このような事象があったときに、「なんとかしなくては」という解決策を考えようとします。
事象としての目に見える結果は、氷山に例えると海水面の上に見えている部分です。
事後的に「反応」しているだけの対処療法にとどまり、しばらくしてまた同じことが起きたり、別の場所に問題が移ったりするだけで、効果的な解決にはなりません。
問題を生み出しているパターンを見る
表面に見えているできごとを過去にさかのぼって考えてみると、「いつも販促キャンペーンの二ヶ月後に売上が落ちている」といったパターンが見えてきます。
そして、このまま同じやり方を続けた場合のなりゆきがどうなるか、というパターンも考えることができます。
こうしたパターンを認識することによって、売上を落とさないための要因を探ることができます。
パターンを引き起こす構造を見る
しかし、売上の低下やクレームの発生などのパターンを予測するだけでは不十分なことがしばしばであり、また予測には限界があります
私たちは成果や問題は、行動を行っている人に帰因すると考える傾向があります。
しかし、複雑なシステムにおいて繰り返し起こる問題のパターンは、人が起こしていると考えるよりも、その人たちにそうした行動をとらせるような構造があると考える方が建設的です。
店舗責任者を攻めるよりも、どこにレバレッジポイントを見つけ構造を変化させることが重要なのです。
例えば、女性の離脱ポイントをみると新人キャンペーン明けの1ヶ月後で一番多くなります。
割引だけで集客すると、価格で価値がアンカリングされ、通常価格が高く見えてしまうためです。
構造を変化させ、新人キャストを売り出すためには、新人好きの顧客を一定数囲い込みすることが必要となります。
根っこにある構造と意識・無意識の前提の相互作用に切り込む
グローアップグループにおいて、そのシステム構造の前提となっているいろいろな意識・無意識レベルの前提や価値観は、ビジョンやミッションなどの理念体系にあります。
そもそもの目的や前提のレベルで、誤った目標を追求したり、勝手な解釈や他責、過度の一般化などが見られる場合には、根本を問い直す必要があります。
この例でいえば、販売員の間で「後先のことを考えずに、自分の目の前のノルマを達成できればよい」と意識または無意識レベルで思っているのかもしれません。
このように、行為者の視点がどのレベルにあるかによって、行動の特性が変化します。
「我々は建物を形作り、その後、建物が我々を形作る」
――ウィンストン・チャーチル(政治家、軍人、作家)
あなたの行動パターンは、理念の理解度や自己ビジョンから生まれてくるものなのです。