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2024.08.14

裏を返さないのは江戸っ子の恥、リピート様の心境

江戸時代、遊里ではリピートを“裏を返す”と呼んでいた

裏を返す」は、同じことをまたする、意とあり(広辞苑)、特に、同じ芸娼妓を二度目にきて買う、意とある。

いまやその意味は死語だが、遊里では「裏を返す」は、「客が初めて揚屋に入り遊女を指名して客になることを『初会』、客が初回の相手に会いに二度目に登楼することを『裏を返す』、三度目に会うのを『馴染み』といった。

今日では「裏を返す」は、「裏を返せば」の形で、逆の見方をすれば、本当のことを言えば、という意味で使われることが多い。

裏を返す→裏返る→裏返す、といった転訛で、裏を返して表とす、つまり、ひっくり返す、ということや、本当意味では、または、相手方(他者)からみるといった意味でも使用されます。

遊里言葉の裏を返すは、同じことをもう一度行う。
現代風に言えば、行って来いと同様の意味だと推測されます。

裏を返さないのは江戸っ子の恥の意味!?

江戸時代の吉原では、花魁と遊びためには、お茶屋さんを通して妓楼を紹介されます。

初めての初会では、性的なサービスは提供されず、飲食を共にするまでです。

お互い、不審なところがなければ、“裏を返す“といった同様のサービスをうけるためのリピートとなります。
遊女の揚代から宴会費用、女将や遣手らへの花代やら諸々のチップやらで総額は100万円近くに及ぶそうです

そして、紹介してくれたお茶屋さんにも馴染み料として祝儀や信頼関係、花魁への見栄、世間体ということも相まって、裏を返す、指名するといった行動になるのです。

これは、一種の作法のようなもので、吉原の格式の高さを感じさせます。

江戸時代は男女の人口比率が歪だったため、このような公式認められた公娼と非公娼の枝が活躍する岡場所が数多く存在しました。
最盛期は100か所以上もあったそうです。

人口でいえば、1万人規模となるそうです。

吉原まで行くのであれば、裏を返すことが当然だったということも頷けます。

江戸幕府公認 遊郭であった吉原は、女性にも人気のエンタメスポットだった

1603年、家康が征夷大将軍となって江戸に開幕すると、間髪を入れず、市中のそこかしこに遊女屋が出現した。
都市建設のため各地から集まった職人や人夫、大名家の家臣らを相手に、たいそう繁盛したそうです。

1617年、これらの遊女屋を一カ所に集め、現在の中央区日本橋人形町あたりに遊郭が開設された。
これが吉原の始まりである。
遊郭の設置は、第一に治安維持のためだったが、幕府は売り上げの1割を懐に入れている。つまり、公的なビジネスでした。

組や座からの定期的な税は当時なく、冥加金と言われる不定期の申しつけが税の代わりになっていたところ、売上に比例した税を掛けることは、財源の安定化に寄与したことでしょう。

吉原は、江戸で唯一、夜通し灯りがつく別世界

郭内のメインストリートである仲之町には、春になると見頃の桜が1000本も移植され、都の女性たちも夜桜を楽しみにくる。

妓楼からは艶やかな音曲が聞こえ、桜や牡丹で彩られた仲之町を、絶世の美人が妹分を引き連れてしずしずと進む。
当時、これほど華やかな空間は他になかっただろう。
秋になると、「俄にわか」と呼ばれる寸劇も行われていたようです。

「吉原細見」なるガイドブックも発行されており、華やかな吉原の様子や遊女たちを描いた浮世絵版画は、江戸土産として大好評!有名な浮世絵師も誕生しています。

吉原の馴染みになることは、現在のSNSで人気キャバ嬢とのツーショット写真と同じ

吉原の馴染み

馴染みの意義:吉原の遊郭で「馴染み」とは、特定の遊女を繰り返し訪れることで、遊女と特別な関係を築くことを指します。
馴染み客は遊女との信頼関係を深め、より親密な接待を受けることができました。

ステータスの象徴:馴染みになることは、その人物が経済的に余裕があり、遊女との関係を維持するための費用を払えることを示すものでした。
これは一種のステータスシンボルであり、社会的な地位を示すものでした。

社会的影響:馴染み客は遊郭内で特別扱いを受けることが多く、そのことが他の客にも知られることがありました。
これにより、馴染み客は遊郭内外で一定の影響力を持つことができました。

現在のSNSでの人気キャバ嬢とのツーショット写真

関係の構築:人気キャバ嬢とのツーショット写真は、そのキャバ嬢と個人的な関係があることを示すものです。
これは現代においても、その人物がキャバクラを頻繁に訪れ、キャバ嬢との特別な関係を築いていることを意味します。

ステータスの象徴:人気キャバ嬢と一緒に写真を撮ることは、現代でも一種のステータスシンボルとなります。
特にSNSにおいては、その写真が他の人々に見られることで、経済的な余裕や社交的なつながりを示すことができます。

社会的影響:SNSでの投稿は広く拡散されるため、人気キャバ嬢とのツーショット写真を公開することで、その人物は一定の影響力を持つことができます。
これは現代のソーシャルネットワーキングにおいて、他者との関係や地位を示す手段となります。

まとめ

吉原の馴染みになることと、現在のSNSで人気キャバ嬢とのツーショット写真を撮ることは、どちらも特定の人物との特別な関係を示す行為であり、社会的なステータスや影響力を象徴するものです。

人々が社会的なステータスや影響力を示す方法は、時代や技術の進化に伴って変わることがありますが、基本的な動機や行動パターンは変わりません。

吉原の馴染みと現代のSNSでの行動には、人間の本質的な欲求が反映されていると言えます。