仮説思考と失敗から学ぶ組織づくりへ
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ビジネスの意思決定には仮説思考が不可欠です。
「完璧に情報が出揃うまで、意思決定をしない」とうことは、ビジネスの社会にとって、スピード感がなく、機会損失や致命的なダメージを受ける場合があります。
一手一手先を見る目で、先手を取っていかなければ手遅れになることがあるからです。
そこで100手考える網羅思考よりも、仮説思考で3、4手考えて選択していくことが必要です。
以前は、仮説思考ができなく「とりあえずやってみる」「行動から学ぶ」ということが主流でしたが、現在では、WEBやSNSの検索、そしてチャットGPTなどの活用により広範囲での情報収集や自分では思いつくことがなかった視点での仮説も簡単に立てられるようになりました。
経験を積み重ねて生み出される〝勘〟は、山勘とは異なる
仮説思考で大事なことは、仮説を立て、計画実行し、出てきた結果を仮説と比較し、再分析するといったことです。
仮説を立てたら、答え合わせをしなければなりません。
前後プラスマイナス10%程が仮説としての合格ラインです。
それ以上離れると仮説が稚拙だったか、決められた計画が実行されていないかのどちらかです。
往々にして企画立案者は、行動量のせいにしがちですが、仮説がぶれている、立案時の仮説が明確でなかったことのほうが多いです。
これでは、差異分析の意味がなく、仮説力を向上させる経験値がたまっていきません、
仮説は100%狙い通りというわけにはいきません。
その差異を教訓として次回、次々回の計画改善に活かすために蓄積していくことが大切なのです。
10年先までの事業計画を立てて、8割当てる仮説洞察力
現代は不確実性の時代と言われ、10年どころか1年先の経済の変化を予測するにも困難な時代です。
しかしながら、少子高齢化などの社会的な構造変化は、急激に変わりませんので、10年先も予測できることは多々あります。
テクノロジーやエネルギーの変化も、方向性はおぼろげながら理解できるのではないでしょうか?
そして変わらないものもあります。
それは人の思考/思想などです。
これは哲学や宗教などでもわかるように1000年単位でみてもさほど変わらない普遍的なものです。
変わり続ける物と緩やかに変化するもの、変わらいないものに分類してみて自社の事業環境がどのように変化することを予測するもの経営者にとって必須なスキルとなります。
仮説思考力を上げる方程式は以下の通りです。
インプット(知識)×思考回数×試行回数=差異を改善する回数(分析からの改善)
仮説思考は生まれ持ったセンスではなく、後天的に開発できるスキルです。
そのためのマインドや習慣を身に着けておくと、時間の経過や業務日数とともに蓄積されていきます
会社がつぶれない範囲でリスクを取り続ける大切さを学ぶ
過去の成功体験に捕らわれてつぶれていく会社は多くあります。
過去の成功体験の再現性はあまりないのです。
むしろ差異、失敗から学ぶべきことの方が多くあります。
もちろん、致命傷にならない程度のリスクには抑えるべきですが、積極的にリスクを取り続け、挑戦し続けると、気が付くと全く違う領域に達することもあるのです。
変化や挑戦を人は避けたがります。
変化はストレスを生むこともあるからです。
許容できるストレスはむしろ積極的に経験すべきです。
変化に対応するのではなく、自らが変化を生み出していくこと、そして挑戦した結果の失敗は財産として捉える風土を作り出すことが大切になっていきます。
「やってみないことには、わからないじゃないですか?」と部下に言われることがありますが、「やってみないとわからないことは、やらないでください。」
「やってみたら、こんな仮説が立ちます。数字はこのように変化し、このような付帯効果が表れます。」
と言えるようにマインドを変えてほしいです。
トライ&エラーはエラーすることが目的ではありません。
なぜそうなったかを学ぶことが重要なのです!