固定概念、メンタルモデルについて
目次
固定観念・メンタルモデルとは?「こうやったら、ああなる」という頭の中のイメージ
家族や友人に何かを伝えるとき、「これを伝えらきっと怒るだろうな」とか、「これをしてあげたら喜ぶだろうな」とか考えますよね?
この時、みなさんの頭の中に家族や友人はもちろん入っていません!
ただし、みなさんが模型としてつくったモデルが入っていて、みなさんはその反応を予測するのです。
ビジネスもまた、メンタルモデルを活用して日々の意思決定や行動をとっています。
顧客はこんな商品を求めているとか、この商品のこのポイントをこういう風に説明すれば、よい反応が得られるだろうと考えます。
さらに、自社の立てる戦略に対して、競合や新規参入の可能性のある会社がどう出るか、あるいは行政などが規制などをどのように変えていくかなど、さまざまなプレイヤーについてのモデルを構築します。
そして、トランプや将棋で自分のもち手と他のプレイヤーの出方をあれこれ考えるように、頭の中でこれらのモデルがどのように作用するかを考えているのです。
人が無意識下で行う7~8割の行動の判断軸
メンタルモデルは、私たちにとっての世の中の見取り図となって、日々の行動の助けとなります。
メンタルモデルにしたがって行動をし、それがうまくいくと、その行動を繰り返します。
実際、私たちは生活や仕事において、行動の7~8割は無意識下で行動し、顕在意識で考えてとる行動は2~3割に過ぎないといわれています。
メンタルモデルは、私たちの過去の体験や学習をもとに形成されています。
私たちの人生経験そのものであるといっても過言ではないでしょう!
社会経験も豊富になると、さまざまな場面で使われる実に多くのメンタルモデルが存在します。
この豊かなメンタルモデルのおかげで、私たちは日々の一連の行動のほとんどを自動化できるのです。
残りの自動化できない部分に関して、身の回りの状況から必要な情報を探し出し、メンタルモデルで処理をして、その状況下ではどのように行動すべきかの判断をしています。
すべてのメンタルモデルは、実は間違っている?なぜ?
どんなに社会経験が豊富な方であったとしても、世の中がすべて思ったとおりに、予測したとおりに動くでしょうか。
あるいは、みなさんの子どもや部下は、みなさんがこうしなさいといえば、いつもみなさんの思い通りに動くでしょうか。
それはありえませんよね(^^;
現実には多くの場合、メンタルモデルによる想定や予測とは異なった結果をもたらします。
どんなに優れたメンタルモデルであっても、決して完璧ではありません。
むしろ、すべてのメンタルモデルは間違っているのです!
それは、メンタルモデルがあくまでも世の中の見取り図として頭の中でつくった模型だからです。
人は出来事と遭遇したときに、瞬時に概念化します。
この時の情報や過去の体験の状況が全て一致しているわけではなく、自己の言動・行動が同じように表現できているわけではないのです。
世の中に似たような出来事に遭遇しても、全てが全く同じということはありません。
例えば、良かれと思った行動が悪い結果を生みだしてしまったことや、喜ぶと思ってやった行動が相手を不快にしてしまったことなどはありませんか?
メンタルモデルを見直し、可能性を広げる
現実世界でうまくいかない場合、私たちは学習することで、次の行動の改善につなげようとします。
たとえば、PDCAサイクルのように、計画策定、実行からその結果をモニターして、計画との乖離について評価、そして行動や計画そのものの見直しのアクションを起こします。
重要なことは、自分自身がどんな固定観念・メンタルモデルをもっているかを気づくことです。
自分自身のメンタルモデル(固定観念)、とりわけパラダイムと呼ばれるより深いレベルで働くメンタルモデルに気づくとき、大きな学習となってさまざまな可能性を広げるのです!