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【書評】馬田隆明の2冊『解像度を上げる』『仮説行動』|ジャケ買いから始まった思考と行動の革命

目次
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ジャケ買いから始まった、馬田隆明との出会い
書店で本を選ぶとき、タイトルやデザインに惹かれて手に取ることは多いものです。私も例外ではなく、ジュンク堂書店大阪本店での「ジャケ買い」が日常になっています。あの日、ビジネス書コーナーで出会った『解像度を上げる』の表紙は、まさに秀逸でした。
💡 表紙デザインの妙
「解像度を上げる」という文字。その中心部分の丸い部分だけがくっきりと見え、周囲はぼやけている。これこそが「解像度が低い状態」を視覚的に表現していて、本の内容を見事に体現していました。デザインと内容が完璧に一致している本に出会うと、思わず手に取ってしまいます。
馬田隆明さんは東京大学FoundXのディレクターとして、スタートアップの支援とアントレプレナーシップ教育に従事されています。その現場から生まれた知見が、この2冊には凝縮されています。
『解像度を上げる』は2021年にSpeakerDeckで最も見られたスライドを書籍化したもので、発売後すぐに大きな反響を呼びました。そして2024年に発売された『仮説行動』は、12万部超えのベストセラーとなった前作の知見をさらに深め、実践的な行動のフレームワークを提示しています。
『解像度を上げる』が教えてくれる、ふわっとした状態からの脱却法
誰かにそう言われたら。言いたくなったら。
解像度が高い人は、どう情報を集め、なにを思考し、いかに行動しているのか。
ビジネスの現場で「もっと具体的に」「ピンとこない」と言われた経験は誰にでもあるでしょう。この本は、そんな「解像度が低い状態」から抜け出すための具体的な方法論を提示してくれます。
本書の構成
特に印象的なのは、「深さ」「広さ」「構造」「時間」という4つの軸で物事を捉える視点です。課題を深く掘り下げるだけでなく、広い視野で捉え、構造的に理解し、時間軸で変化を追う。この多次元的なアプローチが、表面的な理解から脱却する鍵となります。
『解像度を上げる』の核心
スタートアップの現場から生まれた知見だからこそ、抽象的な理論ではなく、実践的で再現性の高い内容になっています。新規事業を立ち上げる人だけでなく、日常業務で「もっと深く考えたい」と感じているすべてのビジネスパーソンに有効な一冊です。
『仮説行動』で学ぶ、大きく考えて小さく踏み出す実践法
失敗も成果につなげる試行錯誤のための羅針盤。
『解像度を上げる』で思考の質を高める方法を学んだ後、次に必要なのは「どう行動するか」です。『仮説行動』は、その実践的なプロセスを体系化した一冊です。
本書の構成
この本の核心は、「インパクトと実現可能性の両立」にあります。多くの人が陥るのは、大きすぎて実現不可能なビジョンを描くか、小さすぎて意味のない行動に終始するか、という両極端です。
🎯 仮説行動のプロセス
仮説を生成し、検証し、統合する。そして評価し、決断し、実行する。このループを回し続けることで、不確実性の高い状況でも前進できます。特に「仮説マップ」という概念は、複数の仮説を構造的に整理し、優先順位をつけるための強力なツールです。
起業や新規事業だけでなく、質的に違う仕事に取り組む際にも有効です。「そんなことできっこない」と言われるような大胆な目標に対して、「スケールが小さい」と言われない適切な一歩を踏み出す。その絶妙なバランス感覚を、本書は教えてくれます。
『仮説行動』の核心
2冊を通して得られる、思考と行動の好循環
『解像度を上げる』と『仮説行動』は、独立した2冊でありながら、読み進めると深くつながっていることがわかります。前者で「どう考えるか」を学び、後者で「どう行動するか」を学ぶ。この2つが組み合わさることで、思考と行動の好循環が生まれます。
解像度を上げることで、課題の本質や解決策の構造が見えてきます。しかし、理解するだけでは何も変わりません。そこで仮説行動のフレームワークが必要になります。小さく検証可能な仮説を立て、実験し、学びを次の仮説に活かす。このサイクルを回すことで、徐々に大きな成果へとつながっていきます。
スタートアップの現場発の実践知
両書に共通するのは、抽象的な理論ではなく、スタートアップの現場から得られた実践的な知見であるという点です。馬田さんが東京大学FoundXで多くの起業家と向き合ってきた経験が、随所に活きています。
表面的な理解から脱却し、本質を捉える力が身につく
考えるだけでなく、適切な一歩を踏み出せるようになる
失敗を次の成功につなげる仕組みが理解できる
インパクトと実現可能性のバランスを取れる
こんな人に読んでほしい、馬田隆明シリーズの魅力
この2冊は、特定の職種や立場の人だけでなく、幅広い読者にとって価値のある内容です。しかし、特に次のような方には強くおすすめします。
不確実性の高い状況で、どう考え、どう動くべきかの指針が得られます。仮説検証のプロセスは、新規事業開発そのものです。
スタートアップの現場から生まれた知見が凝縮されており、起業家に必要な思考法と行動様式が学べます。
「ふわっとしている」と言われがちな提案を、具体的で説得力のあるものに変える技術が身につきます。
質的に違う仕事に挑戦する際の、適切な一歩の踏み出し方がわかります。
書店で手に取る価値がある理由
私がジュンク堂書店大阪本店で『解像度を上げる』をジャケ買いしたように、この2冊は書店で実物を手に取る価値があります。特に『解像度を上げる』の表紙デザインは、実際に見ることで「解像度が低い状態」を体感できます。
📚 書店での出会いを大切に
オンラインで本を買うのも便利ですが、書店を歩き回って偶然の出会いを楽しむのも、読書の醍醐味の一つです。ジュンク堂書店大阪本店のような大型書店なら、関連書籍も充実しているので、馬田さんの他の著作も一緒にチェックできます。
2冊とも素晴らしい内容ですが、読む順番としては『解像度を上げる』→『仮説行動』がおすすめです。思考の質を高めてから、行動のフレームワークを学ぶことで、より深く理解できます。もちろん、逆の順番でも、単独で読んでも価値がありますが、2冊セットで読むことで相乗効果が生まれます。
馬田隆明さんの2冊は、ビジネス書の棚に並ぶ多くの本の中でも、特に実践的で再現性の高い内容です。「もっと深く考えたい」「適切な行動を起こしたい」と思っているすべての人に、ぜひ手に取ってほしい一冊です。
読後の変化:私自身の体験から
この2冊を読んでから、私自身の仕事への向き合い方が明らかに変わりました。以前は「なんとなく良さそう」「直感的にこうだと思う」という曖昧な判断が多かったのですが、今では「どの軸で解像度を上げるべきか」「どの仮説から検証すべきか」と構造的に考えられるようになりました。
✨ 実践して感じた効果
特に印象的だったのは、「解像度を上げる」ことと「仮説を検証する」ことは表裏一体だという気づきです。深く考えれば考えるほど、検証すべき仮説が明確になり、検証を重ねるほど理解が深まる。この好循環を体験できたことが、最大の収穫でした。
他の著作もチェックする価値あり
馬田さんには『逆説のスタートアップ思考』『成功する起業家は居場所を選ぶ』『未来を実装する』といった他の著作もあります。今回紹介した2冊を読んで「もっと深く知りたい」と思った方は、ぜひこれらの本も手に取ってみてください。スタートアップやイノベーションに関する深い洞察が得られます。
この2冊から得られる5つの力
あなたもぜひ、書店で『解像度を上げる』の表紙を手に取ってみてください。その「ぼやけた文字」から始まる学びの旅は、きっとあなたの思考と行動を変えてくれるはずです。ジュンク堂書店大阪本店のような大型書店なら、落ち着いて本を選べる環境が整っています。偶然の出会いを楽しみながら、自分にとっての「次の一冊」を見つける時間も、また貴重な読書体験の一部です。



