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NotebookLMとGeminiで顧客対応を変革|新人でもベテラン並みの神対応を実現する方法

社内だけじゃない!
NotebookLMとGeminiで「顧客対応(CS)」を変革する
第2回では「社内相談Bot(Gems)の作成」を行いました。
今回は、この技術を会社の利益に直結する「顧客対応(カスタマーサポート)」へと応用します。
「顧客対応にAIを使うと、嘘をついてクレームになるのでは?」
そう心配される方も多いでしょう。
そこで今回は、いきなりAIにお客さまと会話させるのではなく、「オペレーターの最強のサポート役」としてGeminiとNotebookLMを配置する、安全かつ高効率なシステムを構築します。
ステップ1:社内用とは違う!CS用RAGの「3つの壁」
社内向けの「総務Bot」と顧客向けの「CS Bot」では、求められるレベルが段違いです。
⚠️ 正確性(Zero Hallucination)
「多分こうです」は許されません。
間違った案内は損害賠償や炎上につながります。
💬 トーン&マナー(ブランド)
正しい答えでも、ぶっきらぼうでは顧客満足度が下がります。
🌍 スピードと多言語
24時間365日、場合によっては海外からの問い合わせにも対応が必要です。
これらを解決するために、今回は
「回答の下書き作成(ドラフト)」に特化したGem(カスタムGemini)を作ります。
ステップ2:NotebookLMに「過去の神対応」を学習させる
Geminiを優秀なオペレーターにするには、マニュアルだけでなく「理想的な回答例」を読ませるのがコツです。
📚 製品マニュアル・仕様書
基本的なファクト(事実)情報。
❓ FAQリスト
よくある質問と正解セット。
⭐ 過去の優良対応ログ(これが重要)
ベテラン社員が対応した、「完璧なメール返信」や「丁寧なチャット履歴・会話履歴」をPDF化してNotebookLMに入れます。
これにより、AIは「自社らしい言葉遣い」や「クッション言葉の使い方」を学習します。
ステップ3:CS専用「Gems」のプロンプト設計
Gemini上で作成する「CSアシスタントGem」のプロンプト(指示書)は、以下のように設定します。
■ 役割:
あなたは株式会社〇〇の熟練カスタマーサポート担当です。
■ タスク:
顧客からの問い合わせ文(および添付されたエラー画像)を読み取り、NotebookLMのソースに基づいて「返信メールのドラフト」を作成してください。
■ 制約条件:
1. 共感を最優先
まず顧客の困りごとに寄り添う言葉(お詫びや労い)を入れてください。
2. 根拠の明示
回答は必ずソース(マニュアル)に基づき、該当ページへのリンクや参照箇所を社内確認用に併記してください。
3. エスカレーション
ソースに正解がない、または自信がない場合は、無理に回答を作らず「管理者の確認が必要です」と出力してください。
ステップ4:【実演】「画像」を使ったトラブルシューティング
Geminiの強みである「マルチモーダル(画像認識)」は、CSでこそ輝きます。
📧 シナリオ
顧客から「製品のランプが赤く点滅して動かない。写真送ります」という問い合わせが来た。
🔄 処理フロー
1️⃣ オペレーターの操作
顧客からのメール本文と、添付された「赤いランプの写真」をそのままGemini(CSアシスタントGem)に貼り付けます。
2️⃣ Geminiの処理
✓ 画像を解析 → 「エラーコードE-05(過熱異常)」であると特定
✓ NotebookLMのマニュアルを参照 → 「E-05の場合は、電源を切って30分待機」という解決策を発見
✓ 学習したトーンで文章化
📝 出力結果(ドラフト)
〇〇様
いつも弊社製品をご利用いただきありがとうございます。
製品が動かずご不便をおかけしており申し訳ございません。
お送りいただいた画像を拝見したところ、「過熱防止機能(エラーE-05)」が作動している可能性がございます。
大変お手数ですが、一度電源プラグを抜き、風通しの良い場所で30分ほど休ませてから再起動をお試しいただけますでしょうか?
(社内用メモ:マニュアルP.45「異常点滅時の対応」を参照しました)
👤 人の介入(Human-in-the-loop)
オペレーターはこのドラフトを確認し、「30分」の部分に間違いがないかチェックして、送信ボタンを押すだけ。
これにより、新人オペレーターでもベテラン並みの知識と丁寧さで、
即座に回答が可能になります。
ステップ5:Botから得られた「気づき」を製品開発へ
このシステムの副産物として、「Geminiが答えられなかった質問(=マニュアルに載っていない不具合や、新しい要望)」が明らかになります。
Geminiとのチャット履歴を定期的に分析することで、
「今、顧客は何に困っているか」という生の声を、
開発部門やマーケティング部門へフィードバックするサイクルが生まれます。
🔄 PDCAサイクル
→ AIが答えられなかった質問を収集
→ マニュアル更新または製品改善
→ NotebookLMに再学習させる
→ 対応品質が向上
まとめ:AIは「防波堤」であり「翻訳家」である
2026年現在、AIは単なる自動化ツールを超え、
「社内の知見を、社員や顧客が最も受け取りやすい形に翻訳して届けるパートナー」
になっています。
ぜひ、まずは身近な「社内Bot」から始めて、
徐々に「顧客対応」へと適用範囲を広げてみてください。
あなたの会社の眠れるデータが、大きな資産に変わるはずです。



