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2025.08.09

【MBA × 現場思考⑧】「事業をどう組むか?」──多角化戦略と組織構造の最適解

企業として成長するための多角化戦略。

どのような事業ポートフォリオを組むのか(どのような組織構体にするのか?)

現代のビジネス環境は、技術革新や市場の変化が急速に進み、企業にとって柔軟な対応が求められています。

このような状況下で、企業が持続的な成長を遂げるためには、多角化戦略の採用が一つの有効な手段となります。

しかし、多角化を進める際には、単に事業領域を拡大するだけでなく、企業のビジョンやミッションとの整合性を保ちつつ、組織全体の一貫性を確保することが重要です。

本記事では、多角化戦略を成功に導くための事業ポートフォリオの構築方法と、それに適した組織構造の選択について考察します。

企業の成長を支える戦略的な視点と実践的なアプローチを探っていきましょう。

ビジョンからの一貫した軸を持ち、多角化戦略を考察する

企業が多角化戦略を進める際、最も重要なのは「ビジョンからの一貫した軸」を持つことです。

企業の存在意義や社会的使命を明確にし、それに基づいて事業ポートフォリオを設計することで、既存事業と新規事業の間にシナジー効果を生み出しやすくなります。

また、ビジョンに基づいた戦略策定は、従業員のモチベーション向上や顧客の共感を得る上でも効果的です。

規模を追うのか?それとも範囲の経済を追求するのか

多角化戦略においては、規模の経済と範囲の経済のどちらを追求するかを明確にする必要があります。

規模の経済は、生産量の増加に伴い、製品1単位あたりの平均コストが低下する現象を指します。

一方、範囲の経済は、異なる製品やサービスを同一の経営資源で生産・提供することで、コストを削減し、効率性を高める戦略です。

自社の強みや市場環境を踏まえ、どちらの経済性を重視するかを検討することが重要です。

固定費も規模によって増加することや見えないコストが発生することを意識

規模の拡大は、コスト削減や市場シェアの拡大など、多くのメリットをもたらしますが、同時に以下のようなリスクも伴います。

多角化に伴う主なリスク

  • 固定費の増加: 新たな設備投資や人材採用により固定費が膨らみ、収益性が低下する可能性があります。
  • 組織の複雑化: 事業多角化により組織構造が複雑化し、意思決定の速度や柔軟性が落ちる恐れがあります。
  • 部門間のコンフリクト: 各部門が別々の目標やKPIを持つことで優先順位がズレ、リソースの奪い合いや対立が発生します。
  • 短期視野への陥りやすさ: 部門間の対立が目に見える課題となると、組織全体が短期的な対応に追われがちになります。
  • 見えないコストの発生: コミュニケーションの非効率や調整コストなど、直接把握しにくいコストが増える可能性があります。

これらのリスクを回避するためには、定期的なコスト分析や組織構造の見直しが必要です。

組織の規模が拡大するに応じて課題もまた変化します。

拡大期や安定期に入ると、標準化やマニュアル化が求められ、各部門の専門性も高まっていきます。
この頃になると部門間の独自のKPIが設定され、コンクリフトを大きくなります。

部門間の調整で場当たり的な対応をしてしまうと長期的な戦略を見失いことになったり、ルールが複雑化したり、管理できなくなったります。

組織を生命体として捉えると、それぞれの部門の役割が決定する

組織を生命体として捉えると、各部門はそれぞれ特定の役割を担い、全体として調和を保ちながら機能することが求められます。

ティール組織(Teal Organization)は、従来の階層的なマネジメント構造を超え、メンバー全員が自律的に意思決定を行い、組織の目的に向かって進化し続ける次世代型の組織モデルです。

この概念は、元マッキンゼーのコンサルタントであるフレデリック・ラルー氏が2014年に著書『Reinventing Organizations』で提唱しました。

ティール組織の3つの特徴

  • セルフマネジメント(Self-Management): 従来の上司や管理職による指示・管理を排し、各メンバーが自律的に意思決定を行います。これにより迅速な対応や柔軟な組織運営が可能になります。
  • ホールネス(Wholeness): メンバーが職場で自分らしさを発揮できる環境を整え、感情や直感も含めた全人的な関与を促進します。これにより創造性や協働性が高まります。
  • 進化する目的(Evolutionary Purpose): 組織は固定された目標ではなく、環境変化に応じて進化する「生命体」として捉えられます。メンバーは組織の目的を感じ取り、それに沿って行動します。

ティール組織は、変化の激しい現代において、柔軟性と持続可能性を兼ね備えた組織モデルとして注目されています。

導入には慎重な準備と組織全体の意識改革が必要ですが、成功すれば高い自律性と創造性を持つ組織を実現できます。

また、多角化戦略を進める中で、各部門の役割や責任を明確にし、組織全体のビジョンと整合性を持たせることが重要です。

さらに、企業が持続的な成長を実現するためには、ビジョンに基づいた多角化戦略の策定と、それに適した組織構造の構築が不可欠です。

これらを実践することで、企業は変化する市場環境に柔軟に対応し、競争優位性を確立することができます。