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2025.08.24

インフレ時代の価格戦略について考察する

最近、スーパーやコンビニで「あれ、前より高くなった?」と感じることが増えていませんか?

円安や原材料高など、私たちの生活を取り巻く環境はここ数年で大きく変化し、価格戦略はもはや経営の中核テーマになっています。

今日は、長く続いた日本のデフレ時代からの意識転換と、インフレ下での価格設定の考え方について掘り下げていきます。

デフレが育んだ「値上げ=悪」の空気

デフレが育んだ「値上げ=悪」の空気

日本はおよそ20年以上にわたり、デフレや低インフレ状態が続きました。

  • 価格競争が常態化し、安く提供することが正義とされる
  • 消費者は「価格据え置き」に慣れ、上昇に強い拒否感を持つ
  • 企業は利益率よりもシェア確保を優先

この背景から、値上げは顧客離れを招くリスクの象徴とされ、

値段は据え置き、品質で勝負する」戦略が主流となっていました。

しかし、このモデルはコストが上昇し続けるインフレ時代には限界があります。

インフレ時代を加速させる要因

インフレを加速させる主な要因

ここ数年、価格上昇の波は避けられないほどに広がっています。主な要因は次の通りです。

  • 円安:輸入品や原材料の価格が上昇
  • コストプッシュインフレ:原材料費・物流費・人件費の上昇
  • 原油高:エネルギーコストの増加が製造・輸送コストを押し上げる
  • 世界的な需給ひっ迫:ウクライナ情勢、気候変動による農作物不作など
インパクト
これらの複合要因により、消費者物価指数(CPI)は右肩上がり。価格改定は一時対応ではなく、継続的な戦略判断として組み込む必要があります。
円安がもたらす構造変化

円安は単なる為替変動にとどまらず、企業の価格戦略や生活コストの前提を変えます。

  • 輸入品価格の上昇(原材料・燃料・食料品など)
  • 外資系・海外ブランドの日本価格改定
  • 賃金上昇が価格上昇に追いつかない構造

そのため、値上げを行う際は、原価上昇分の転嫁だけでなく、通貨価値の変動まで織り込んだ長期的な価格設計が求められます。

サービス業への影響
  • 人件費の上昇:人材確保に向けた時給アップや福利厚生の強化が必要に

「年率見直し+価値向上」が新常識

インフレ時代の新常識「年率見直し+価値向上」

インフレ下では、価格は「据え置くか上げるか」ではなく、年率で見直す前提で設計することが重要です。
ポイントは必ず価値向上とセットにすること。

  • サービスや商品の品質を改善
  • 体験価値やアフターサポートを強化
  • サステナブル素材や地産地消など、社会的価値を付加
サービス業における価格戦略の方向性
  • 付加価値型の価格改定
    単なる値上げではなく「サービス体験のアップグレード」とセットにする
    例:予約特典、施術時間延長、接客品質強化、アメニティ向上
  • 変動価格(ダイナミックプライシング)の導入
    混雑期・閑散期や曜日による価格差で稼働率と収益を最適化
  • パッケージ化
    個別サービスをセット化し「お得感」を演出しつつ単価を底上げ
  • 会員制・サブスク化
    値上げを段階的に浸透させつつ、長期的な顧客囲い込みを実現
ポイント: 顧客は価格上昇を単なる「負担」ではなく、「価値投資」として受け止めやすくなります。

価格戦略成功事例|赤城乳業のガリガリ君

価格戦略成功事例|ガリガリ君の値上げ

象徴的な例として有名なのが、赤城乳業のガリガリ君値上げです。
長年据え置いてきた価格を改定した際、テレビCMで「値上げのお知らせ」を誠実に発表しました。

「これまでこの価格で頑張ってくれてありがとう」

多くの消費者から感謝の声が寄せられ、むしろブランドの好感度が高まりました。

  • 値上げ理由を正直に伝える
  • 消費者との長年の信頼関係が背景にある
  • 価格以上に「企業姿勢」が評価された
教訓: 誠実さと信頼関係があれば、値上げはブランド価値を高めるチャンスになります。

値上げを成功させる3つの実務ポイント

  1. 価格改定の根拠を明確にする
    原価の上昇、品質向上への投資、従業員待遇改善など
  2. 顧客が感じる価値を強化する
    価格以上のメリットを明確化
  3. 情報発信のタイミングとトーンを整える
    突然の告知ではなく、事前説明や感謝を伴う発信

まとめ|価格は信頼の証

まとめ|価格は信頼の証

インフレ時代の価格戦略は、単なる数字の問題ではなく、顧客との信頼関係のマネジメントです。

値上げを避けるために品質やサービスを削ると、長期的にはブランドが毀損します。

価格を上げることを恐れるのではなく、価値を上げ、それを誠実に伝える力を磨くこと。

これが、これからの企業が生き残るためのになるでしょう。