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インフレ時代のお金の価値 ―「1億円」の意味が変わった!?

「老後資金は1億円あれば安心」
そんな常識が、いま大きく揺らいでいます。
理由は――”インフレ”。
物価が上がるということは、お金の価値が下がるということ。
同じ1万円でも「買える量」がじわじわ減っていく今、「貯めれば安心」という時代は終わりに近づいています。
物価が上がるということは、お金の価値が下がるということ。
同じ1万円でも「買える量」がじわじわ減っていく今、「貯めれば安心」という時代は終わりに近づいています。
今回は、最新の経済動向を踏まえて”インフレ時代のお金の価値”をわかりやすく解説します。
01
インフレ時代、1億円の価値はどう変わる?
1億円の価値が変わる時代
1990年代後半から続いてきた「物価は上がらない」という感覚。しかしこの5年間で価値観は180度変化しました。
2020年9月〜2025年9月
→ 平均物価上昇率 2.3%
→ 月によっては 4%上昇 も
→ 月によっては 4%上昇 も
これが意味すること
つまり、お金を銀行に置いておくだけでは”確実に”価値が減っていく時代に突入したということです。
では本題。
物価上昇率2%が30年続くと、
今の1億円の価値は
約5,500万円
約5,500万円
(価値は 45%減)
“額面1億円”では、現在と同じ生活水準は維持できない。
これがインフレ時代の現実です。
これがインフレ時代の現実です。
ちなみに、1万円札は、この3年間で価値が下落し、9,150~9,300円程度のモノとしか交換できません。
02
預金は本当に安全資産なのか?
預金の価値が変わった
1990年から2020年代までの30年間はデフレ時代(物価が下がる時代)、預金金利が0%でもお金の価値が上がるので問題ありませんでした。
ところが今は逆。
過去(デフレ時代)
金利:ほぼ0%
物価:下落傾向
→ 預金するだけでお金の価値が上がる
物価:下落傾向
→ 預金するだけでお金の価値が上がる
現在(インフレ時代)
金利:ほぼ0%のまま
物価:2〜4%上昇
→ 預金するほどお金が目減り
物価:2〜4%上昇
→ 預金するほどお金が目減り
昔は「貯金しておけば安心」でしたが、今は“知らない間に価値が減るリスク資産”に変わっています。
インフレ時期は、日銀は公定歩合を引き上げるべきですが、デフレ時代(金融異次元緩和時代)に貸し出した長期ローン(住宅・設備投資)などが超低金利だったため、急な正常化に踏み切れないというジレンマがあります。
03
インフレは借金を”軽くする”という意外な側面
インフレのもう一つの顔
インフレはつらいだけではありません。長期の借金(住宅ローンなど)には有利に働きます。
物価が上がる
給料も上がる(望ましいインフレなら)
借金の”重さ”は相対的に軽くなる
つまり、貯金の実質価値は下がるが、借金の実質負担は軽くなる。
また、都市部の不動産価格の向上による住み替えなど売却益が発生します。建築費が上がりすぎると中古市場が活性化します。新築価格の向上につれ、賃貸や中古市場も上がっていくのです。
インフレの本質は「お金の価値の移動」なのです。
04
では、これからの資産形成や購買はどうしたらいい?
インフレ時代の資産戦略
答えは明確です。
インフレ率(2~3%)を上回るリターンを長期で取りにいける資産を持つこと。
インフレ率(2~3%)を上回るリターンを長期で取りにいける資産を持つこと。
具体的には:
株式(国内・海外)
インデックスファンド
積立NISA / iDeCoの活用
不動産・REIT
インフレ連動型資産
つまり、”ただ貯める”時代は終わり、“どう持つか”が問われる時代へシフトしています。
そして、必要なものは早期に購入しておくことです
例えば、家の修繕で水回りをリフォームする場合、今年と来年では数万円の価格差がでてしまうこともあります。
これは為替市場で円安だからということだけで片付きません。なぜなら諸外国もインフレでモノの値段が上がっていくからです。
物価高 + 円安
この相乗効果で、インフレは加速していきます。
この相乗効果で、インフレは加速していきます。
まとめ ― インフレ時代を生きるために
インフレ時代を生き抜く3つの戦略
・インフレ率を上回る運用(株式・債券・インデックス・NISA/iDeCo)
・現金比率を適切に管理(預金は価値が減ることを前提とする)
・インフレ前提の購買戦略(値上がりを見越して賢く買う)
インフレを敵にするのではなく、仕組みを理解し、味方につけることがこれからの家計防衛の核心です。



