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日銀の100年かけての保有ETFの売却は年月のかけての正常化ではなく、100年運用させてねということ

2025年、日銀はついに「ETF保有の売却方針」を発表しました。

ニュースでは「金融正常化の一環」と報じられていますが、実は本質はまったく違います。

──日銀は”100年かけてゆっくり売る”と言っているのではなく、”100年間はこのETFを運用し続ける”と宣言したに等しい。
なぜそんな構造になるのか?
日銀の財務構造、利回り、元本の推移をデータで追うと、その意図が見えてきます。
01

金融正常化で公定歩合の利上げ、国債保有の圧縮、そしてETF売却へ

2024〜2025年の日銀「正常化の3点セット」
  • 公定歩合の利上げ
  • 国債の保有縮小
  • ETF保有の売却方針の提示
しかし、ETFだけは他の2つとまったく性質が異なります
なぜなら、ETFは”日銀に巨額の利回りを生む資産”だから。
02

2010年からの黒田総裁は実は優秀な相場師!?15年で60兆円以上の黒字

驚異的な運用実績

2010〜2024年にかけてのETF累計購入額は

簿価
約37兆円
時価
約90兆円
すでに評価益だけで 50兆円以上の利益

黒田総裁は「禁じ手」と言われたETF購入で、結果的には日本最大の相場師と言われてもおかしくない成績を残しました。

03

日銀の収益2.2兆円のうちETF利回り利益は1.4兆円

2024年度 日銀収益の内訳
日銀の純利益(全体)
約2.2兆円
そのうちETFの利回り利益
約1.4兆円(全体の64%)
つまり、ETFは日銀財務の”収益の柱”と言える存在になっています。
だからこそ、日銀がETFを急いで売却する理由はどこにもない。
04

株価を下落させないために、売却は100年かけて行うは、100年運用するということ

「100年売却」の本当の意味

日銀は「市場に影響を与えないよう、100年以上かけて売却する」と説明していますが、これは裏を返せば

“100年間は保有し続ける。
つまり100年間は利回りを受け取り続ける”
という意思表示です。
年間利回り:1.4兆円
毎年の売却:3,300億円のみ → 利回りの約22%
つまり、利回りの方が圧倒的に大きく、売却しても元本はほとんど減らない構造になります。
05

毎年3300億円程度の売却では、100年後も元本は半分程度残る

100年間のシミュレーション
期首元本
(兆円)
利回り1.6%
(兆円)
売却額
(兆円)
その年
キャッシュ
(兆円)
期末元本
(兆円)
累計
キャッシュ
(兆円)
1 91.000 1.456 0.330 1.786 90.670 1.786
5 89.680 1.435 0.330 1.765 89.350 8.877
10 88.030 1.408 0.330 1.738 87.700 17.622
20 84.730 1.356 0.330 1.686 84.400 34.717
30 81.430 1.303 0.330 1.633 81.100 51.283
50 74.830 1.197 0.330 1.527 74.500 82.832
70 68.230 1.092 0.330 1.422 67.900 112.269
90 61.630 0.986 0.330 1.316 61.300 139.594
100 58.330 0.933 0.330 1.263 58.000 152.464
100年後の姿
元本
91兆円 → 58兆円(まだ64%残る)
累計キャッシュ
152兆円
売却合計
33兆円
利回り累計
119兆円
つまり、100年間で150兆円以上を生む”永久機関”のような構造になっています。
06

幸か不幸か、日銀のETF買い入れは”恒久的な財源”を生み出した

世界で唯一成功した社会主義的資本形成モデル

禁じ手と言われたETF買い入れ。しかし結果的には、世界で唯一成功した「社会主義的な資本形成モデル」になってしまいました。

この構造が意味すること
国家が株式市場から資本を吸い上げ、株価を支え、莫大な利回りを得て財源化する──この構造が持続する限り、日銀のETFは「100年売却」どころか、”100年運用し続ける巨大ファンド”として日本の財政を支える存在になりそうです。
まとめ

日銀の100年売却は、「正常化」と呼ばれつつ、実態はこうです。

  • 100年かけて売る=市場に影響させたくない
  • 100年運用し続ける=利回り1.4兆円を永久財源にする
  • 100年後も元本は半分以上残る
  • 日銀は巨大な国策ファンド化している
日銀のETFは、今後100年間の日本経済の”影の財源”であり続けます。

食料品の消費税を0にする政策の恒久財源がないと言われておりますが、2年間程度ならこの財源の5年分です。むしろ、インフレによる税収増加分を考慮すれば、すでに財源が不足していないのです。

この財源はどこに使われますか?用途を定めた特定財源にすべきだと思われます。

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